いまの季節に・・・

久しぶりの明るい日差しにやっと春を実感できる。
この数日間の寒かったこと・・・
まだ冷たい風があるけれどマンションの中庭では
春休みの子どもたちの歓声がが聞こえてくる。


10階のベランダから見下ろす庭にはピンクや白の桜が
ほのかに咲いているのが見える。
コブシや、モクレンやツバキも競うように咲いていて
いまの時期、居住地を散歩するだけでも心こころ癒される。


まぶしい太陽とは対照的に、わたしは毎年この時期になると
なんとも言えない切なさを感じる。


5月に逝った夫はこの季節、入退院を繰り返しながらも家で養生していた。
しかし桜を愛でる気力もなくベランダから射す陽を眺めていただけだった。


少し元気なころ、ベランダから見る桜の木々に目を細め
元気に遊ぶ子どもらの声に、生きている実感を持っていたらしい。
「いいなぁ、ここは・・・」と、その5年ほど前に越してきたこの住居に満足気だった。

夫は逝って7年になる。


年年歳歳花相似たり、歳々年々人同じからず」


劉廷芝「代悲白頭翁」の詩句がこころに迫る。