ふうっ、疲れた・・・。

今日は、娘のところのチビさんたちを午前と午後に分けて預かった。


夜、娘たちご一行は、夕食をこちらで済ませ、ついでにお風呂にはいり退散していった。
車で10分ほどの距離に住んではいても会うのは、そう多くはない。
可愛いおチビさんたちであってもべたべたは好きではない。
適度な距離をおいて行き来している。


娘の第2子楓は満1歳を少し過ぎているが、この4月から「たいそう教室」なるところへデビューする。まったくいまどきは、おチビさんも忙しい。
寝てばっかりもいられない。
1歳児からの乳児を対象にしたこの教室は、新米ママの育児支援が目的で設立されており3歳児のお兄ちゃん潤平も、最近卒業したばかりである。


潤平は、3年保育の幼稚園に入ることになっているが、まだ入園式が済んでいないため、今日は、ばぁばとお留守番というわけである。


ママはそのクラスの委員長なるものが阿弥陀くじで当たってしまい
今日は最初の日でみなの前でマイクを握り「お話し」をしないといけないらしい。
人前で話すことが苦手になっている彼女は、それだけでも緊張して、
とてもおにいちゃんまでは連れて行けないということらしい。


「じゅんくんもいっしょに行くぅ、さみしいよぅ」
潤平を預けに来たママと別れるとき、車の中で大泣きをする彼に
そういうこともあろうかと、ばぁばは500円玉をポケットに入れ、
部屋を出た。


肌寒い雨のお天気ではあるが「」アイスクリームを買いに行こう!」と
彼の好きなもので釣り、涙を収めさせた。


アイスクリームを買ってばぁばの家に帰ると、けろりとして遊ぶ。
今日は、「くもんの学習帖」のようなものをリユックに詰めてきている。
さっそく取り出してオベンキョーしている。


ふ〜ん、いまどきはこんな便利なものがあるのかと感心してみていると
ぎこちない手で鉛筆をにぎり、なにやらカナや数字のなぞりをしている。


いらちの潤平は、うまく線が引けなかったり、丸が描けなかったりしてベソをかいている。

「別にはみ出てもかまわないよーじょうず、上手!」とおだてても
「ママがはみ出したらダメと言った〜ビミョーなんだから」
・・・・・・。
まったく3歳児が言うことか、と、ばぁばが大笑いすると、
それにつれて潤平も笑いふたりで笑い転げた。


最近はこの3歳が、ややこしい時期でもある。
きちんとおトイレの習慣もでき、はきはきとモノを言い、
衣服の着脱も自分でするなど頼もしくあるのだが時々、
妹の楓にちょっかいを出す。


エネルギーの塊のような潤平が1歳のヨチヨチ歩きに体当たりすると
あっけなく転ぶなど危なくて目が離せない。
たまに意識してやっていることはあるようだが
本人にはいじめのつもりはないようだ。


とにかく、1歳と張りあって、食べることも自分で箸を使っているのに
最近は「食べさせて〜」と甘える。
何でも同じように扱って欲しいらしい。
いわゆる「退行現象」に、成長の一過程であってもママは悩んでいる。


それで一計を案じ、今日は午後から潤平とふたりだけで遊びに行ったら?
と提案していた。
今度は1歳とお留守番である。


ママたちが出かけたあとしばらくご機嫌で遊んでいたがふっとママたちがいないことに気づき、口をヘの字に曲げ泣きそうになる。
ヤバイ、やばい、抱っこしながらいつもの「ブラームスの子守唄」を静かに耳元で歌い
からだをやさしく揺すり、なでてやる。
どういうわけか、これでコトンと眠りに落ちるから、ばぁばの奥の手も捨てたものではない。


やがて、潤平が嬉しそうに焼きたてパンのお土産とともに帰ってきた。
一時でもママを独占できたことで満足げである。


ママと潤平に少し、風穴をあけてやることで双方が気分転換になるだろう。

良かったねぇ潤平!
良かったね、ママ・・・
子育てでギブアップしそうなときは、ばぁばも活用するといい。


「孫が来てうれし、帰ってうれし」の通りで、くたびれるけれど
やっぱり彼らの成長をまじかにみることができて、しあわせだと思っている。