「ルノアール展」にうっとり!


大阪は国立国際美術館で開催されている「ルノアール 伝統と革新」展を観た。
どの作品も息を呑むほど圧巻だ。


後期印象派ルノワールは、長命であったので同世代の画家に比べ作品も多く、しかも大別すると画風が3時代に分類されることがわかる。


1)1860-1878 グレールの画塾での修行時代から、1874年に始まる印象主義の時代


2)1879-1891 印象派展から離れ、サロンでの成功を経て、アルジェリアや
イタリア旅行を経験する模索と思索の時代


3)1892-1919 作品の国家購入など栄誉を得て、様式を集大成した晩年に
いたる豊饒な時代である

しかし「身体表現」「花と装飾画」「ファッションとロココの伝統」という
課題について、いずれも安易に答えを限定していない。


三つ子の魂百までと言われるが、父は仕立て屋、母はお針子という環境のなかで生まれデザインや色彩が日常の生活にあったことなど
改めて思うことは、ジャポニズムの影響の大きかったことが考えられる。


わたしはルノアールの女性的な淡い色彩、特に黄緑や緑をふんだんに
あしらっている絵画が好きだ。

それにも増して好きなのがこの「縫い物をする若い女」である。
青みがかった色調でまとめられた絵の中で花々の色彩が際立っていて
このブルーを配した作品もお気に入りである。

こちらの画像は230点以上が載っている英文サイトからいただいた。
じっくり本物を観たあと、こちらでも愉しんでみた。


今回は音声ガイドを使い、ゆっくり鑑賞した。
女優の松坂慶子さんが甘いささやくような声で絵画の案内をしてくれる。


表紙は大阪限定だというカタログ(写真)を求めたのは、
先の「ハプスブルク」展以来である


表紙を飾っているのは大阪展のみ出展されているという
イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)
1880年
E.G.ビューレー・コレクション


※※※ 《ユダヤ人の銀行家のルイ・カーン・ダンヴェール伯爵(1837-1922)の長女イレーヌ(1872-1963)の肖像画です。カーン・ダンヴェール伯爵は、ルノワールに肖像画制作を注文したユダヤ人のなかで最も裕福な人物の一人です。
本作品は、1880年の夏にパリのバッサーノ通りのカーン・ダンヴェール家の庭で2回ポーズをとってから描かれました。8歳のイレーヌは、薄い青のドレスをまとい、肩には赤茶色の美しい髪が覆うようにかかっています。切りそろえられた前髪と後ろでリボンでまとめる髪型は、当時流行していた少女の髪型でした。庭の一隅を表現したと思われる後ろの深い緑の茂みが、イレーヌのあどけない顔を引き立てています。まつげなどの細部は入念に仕上られており、清らかな美しさが見事に表現されています。 》※※※抜粋


ルノアールは1919年、肺充血のため死去。
78年の芸術家としての生涯を閉じている。