ゆうべの肴 『シマアジ』

週末には市場から新鮮魚介を知人を通して仕入れる。
ふだんはあえて呑まないお酒も少しだけ飲む。


タイやヒラメやハマチ、旬のカツオなど
一匹買いしては、料理本とにらめっこでその調理にかかる。
カツオのたたきなど自分で言うのもなんだが上手になった。
わがやで作るそれは、出来上がったタタキのあいだに
薬味のミョウガやシソ、しょうが、にんにく
白ネギ、水菜などあるもの何でも載せたり挟む。
ボリュームがあり、生臭さが逃げ、いくらでも食べられる。


赤貝も新しいものは、こりっとして歯ざわりがよろしい。


そうそ、いまの時期アユがあっさりして、おいしい。
このあいだは、アユの姿焼きを試みた。
それまで適当にグリルで焼くだけだったのが
少し見た目もこだわりたくなり、挑戦したくなったのである。
化粧塩をたっぷり振り、金串を波状に刺す。
焼きあがり、皿に盛り付けると尻尾がきゅっと上を向き
なかなか姿態がよろしい。
もちろん、お味のほうも。


さて、昨夜は珍しく「シマアジ」が手に入った。
タイのようにぷっくりして重量がある。


シマアジはアジ類の中では味、姿形ともベストで、
高級魚の中でもトップクラス。
この魚が「幻の魚」とも云われているのは、
庶民の手に届かない高嶺の花への羨望が込められているのではないか。”
などと言われており、アジなどと侮れないゆえんである。


タイに劣らずコリコリして、美味である。
冷凍しておいたカニもいっしょに食べた。



鯵舟の ただよい出づる 潮境        
原田  しずえ-----