情報の危うさ

過日のY紙によると2歳児前後の虫歯が増えており、
その原因としてスポーツ飲料などを飲ませていることを指摘している。


下痢や発熱時にお茶や湯冷ましなどを与えるのが常識だが
最近ではそうした折にもスポーツ飲料を飲ませている親が多い由。
更には、水やお茶代わりに哺乳瓶に入れて飲ませることが
頻繁に行われていると記事が続く。


下痢などのあとには、カリウムや電解水などを一緒に補給する必要が
ある、と推奨する医者もいるが、一方ではこうした間違った処方や情報を
鵜呑みにする現状を憂う医師もいる。(歯科医ばかりではない)


ウチの潤平も先ごろ発熱と下痢の症状があり、医者からやはり
スポーツ飲料を摂ることを進められたようである。
「そう言えば父さんもポカリをしょっちゅう飲んでいたよね」
「常時置いておかないといけないわ」と娘が言う。


確かに亡夫は術後の後遺症で長いあいだ激しい下痢が続き
脱水症状から身体の硬直を引き起こす事態を数え切れないほど
繰り返し、そのたびにスポーツ飲料などの補給と
点滴を余儀なくされた経緯がある。


しかしそれほどの重篤な症状でもない小児であれば
お茶や水などを補給するだけで十分だと思うけれどと
わたしは、医者の進言に納得できないでいた。
やはり、弊害があると推察しているからだ。


最近は何でも新しい情報にすぐ飛びつき、
そのまま信じ込みどっぷりつかる親が多い。
「過ぎたるは及ばざるが如し」
適切な情報も度が過ぎると新たな病を
発症させるから用心しないといけない。


いまやテレビでも通販やネットでも様々な情報が氾濫している。
腰や肩の痛みが少しでもあるとやれ○○を貼れ、
サプリを飲め、とうるさい。
それらは適度な運動や歩行などで治る場合もある。


わたしはかつての50肩を50代の初めに経験した。
通勤電車の中で、うっかり吊り革などにつかまろうものなら激痛が走る。
ワンピースのファスナーも後ろに手を廻せないから上げられない。
寝返りも打てないほどの辛い症状が半年ほど続いた。
けれど整形外科に通うでもなく、サロンパスなどを貼ることも
せず自力で治した。


そのころまだジムでプールに通っていたから水中ウォークを重点的にした。
肩や手足を水中で伸ばしたり、廻したりしているうちに
気がつくと痛みが消えていた。
(その一方でプールの消毒用次亜塩素酸に
皮膚が冒されて髪がパサパサ、肌が荒れるなどの弊害はあった)


「消炎鎮痛剤」などは、まわりの筋肉を侵すと言われている。
「薬を止めると病気が治る」の著者、安保徹教授は、
消炎鎮痛剤はむやみに使用すべきではないと警鐘を鳴らす。


わたしは風邪をひいても熱などめったに出さないが、ほとんど寝て治す。
仕事から帰ってきてうがいを徹底し、熱い紅茶などに生姜をすり込み
からだを温め、早く就寝する。
風邪は身体が疲れているときや抵抗力が落ちているときなどに罹患しやすい。
一番の良薬は、食べる、寝る、温めることである。


どちらを向いても特に健康に関しての情報は氾濫している。
自分のからだとしっかり向き合いながら「何が必要で、要らない」か
選択眼を養う必要がある。