帯に短し・・・。

今年の初夏ごろに、友人K子の婚活にスポットを当てた
「K子の場合」を何回かに分けて紹介した。

http://d.hatena.ne.jp/mursakisikibu/20100508/1273278200
K子のパーソナリティ、結婚観、男性観を本人の了解を得て記した。
数人の結婚願望のある男性とつきあったけれど
結婚までには至らなかった話である。
その後、彼女はどうしているか・・・。


時々、K子とは会っていて、同性のわたしから見ても
相変わらずのいい女振りを見せている。


まだ意中のひとは見つからないようである。
再婚ってほんとにハードルが高いのだなと彼女をみて思う。


何が難しいのか・・・。
60歳近くまで生きてきた人間は、「相手に合わせて生きる」
ということが、しんどいということもある。
相手に盲目的にほれ込み、一緒に生きる必要性を
強く感じない限り、一歩を踏み出せないのではないかと思える。
一歩を踏み出す気持ちがあっても、環境的な要因で
そうできないこともあり、なかなか思うようにならないものである。
お互いの子どものこと、住むところ、親の扶養のあるなし、など・・・


冒頭のK子は、いま新しい彼ができて、さわやかな「茶のみ友達」の
範疇で関係を保っている。
むろん相手は今すぐにでも一緒に暮らしたい、結婚したい願望を
覗かせているが、彼女がもうひとつその気になれないでいる。
彼女のほうに今すぐ一緒になれない大きな要素もある。


相手の人間性と自分との相性、嗜好の問題、思想的なこと、
生活習慣の違い・・・いろいろ考えるととても実行には移せない。
年齢を重ねると純粋に相手を愛し、お互いを補いあい、
人生を全うする、という気持ちは薄れるのだろうか。


一緒に暮らすには相手を受け入れないといけない。
もちろん、相手もこちらを受け入れる。
結婚をするということは、遊びで付き合うのとは違い、
相手の人生をも引き受けることになる。
その重さが、結婚への意思をぐらつかせる。


「もうこのままひとりでいいかなと思うことがあるワ」
K子がぽつりと言う。
確かに経済的に不安がなければ、ひとりで気楽に暮らすことも悪くない。
けれど、何となく遊びだけでは物足りないし、寂しい気もするわと
また相反する気持ちを隠せない。


本当に相手を死ぬほど好きならば、なにも考えずに
男の懐に飛び込んでいけるものだろうか
逡巡とするのは、まだそこまで気持ちが至っていないからか。
彼女の言葉は妙に説得性を帯びて、こちらに響く。
帯に短し、タスキに長し・・・。
なんと男選びは、いや伴侶探しはハードルが高いことか。


ひとつ言えることは、すべては思いのままにならないということである。
このことがわかっていて、あれこれ思考をめぐらす。