お洒落ごころ

最近とみに感じていることに、お洒落ごころが薄れたことがある。
家にいることが多くなったせいか、着る物にも頓着しなくなった。
ひどいときは、胸の圧迫感がいやで○ラジャーをつけていないこともある。
楽ちんが、いい。
まったく何をか、いわんやである。


かつて手入れを欠かさなかった自慢のデコルテも
冬場はトックリのセーターが手離せない。
寒さ対策は、何と言っても首と手首と足元を冷やさないこと。
それらを充たすために、ますます花より団子でいく。


いつだったかブログのなかで、かをるさんが、スカーフの
おしゃれをしていない!と嘆いておられた。
たくさんの素敵なスカーフをお持ちである。
スカーフ好きなわたしは、ひと言コメントを入れたが、
実はわたしも大きなことは言えないのである。


シックな色合いから鮮やかな色彩のスカーフを
大判、小ぶり、どれだけタンスの肥やしにしているか。
勤めているとき、どちらかというと若いころから
トレンドには敏感な方で、持っている小物をフル回転させて
ジャケットやスーツなどと、コーディネイトさせていた。


ブランドものや流行を追うのも悪くないけれど基本的に
おしゃれを愉しむのは、手持ちの服を生かし、
どれだけ着まわしできるか、ではないかと思っている。
そして身に着けるものは、素材と色が勝負と私自身は思っている。
それらにこだわっていたわたしだが、最近はそれほどでもない。


若いころはベージュや茶やモノトーンなどシックな色を好み
だんだんと明るい色彩を選ぶようになっている。
第一、シックな色合いが似合わなくなってきている。
コート類もベーシックな素材の飽きのこない、シンプルなものが多い。
けれど最近はダウンジャケットでもピンク系や淡い若草色も
いいなぁと思えてくる。


年齢とともに不精も重なり、好きな色・似合う色が
変化していることを感じている。


そして極めつけは、「靴」である。
ヒールなど履いていたのは何年前になるだろうか・・・。
外反母趾になりつつある、わが足をかばい、
歩きやすく疲れないものを、と思うとローヒールにならざるを得ない。
あろうことか、近場ならウォーキング用のシューズを
履いて出かけることもある。


おしゃれは足元から・・。
すっかりその感覚はわたしの中から失われつつある。
歳を重ねると横着になるのは、わたしだけか・・・。


それでも「とにかく姿勢だけは正そう!」と
思っていることが救いではある。


背筋をぴんと張り、ひざもスキッと伸ばす。
先日、DVDで「クレオパトラ」を観たとき
クレオパトラの背筋と脚のまっすぐなことに、あらためて感動した。


せめて、せめて姿勢と歩き方だけでも、意識しよう。
おしゃれ心の減ったわたしは意を強くするのである。


ヒールを卒業して幾年月か。