モーツアルトはお好き?

あけまして、おめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。


フランソワーズ・サガンの「ブラームスはお好き?」じゃないけれど
朝から、わが家はモーツアルトである。
元旦の祝いを、モーツアルトを聴きながら
屠蘇がわりに白ワインを飲んでいる。
すこしほろ酔い気分である・・・


カニを使った薄味のお雑煮と、お神酒を仏壇に供え
お節は昨夜からお重ごと、お供えしている。
あちらの世界の義父母や夫も、一杯やっているだろうか。
お正月の懐かしい思い出がふっと、胸をよぎる。


穏やかな新年の幕開けである。
静かな朝である。
ベランダに出て新春の空気をいっぱい吸うと吐く息も白く
気持ちのいい冷たさが、からだを巡る。


お節の中身は豪華さには欠けるけれど、家庭の味が詰まっている。
丹波の黒豆は甘みを抑えたぶんだけ少し物足りない気もするが
ふっくらと丸みをおびて炊けた。
甘酢れんこんや2色なますは、たっぷり柚子を絞ったので
まろやかな酸味が幾らでも箸をさそう。
クワイもこりこりと歯ざわりよく、まぁまぁのおいしさである。
たたきごぼうや、お煮しめなどみかけは粗雑であるが、まぁいける。
でも一番おいしかったのは、「栗きんとん」かなぁと思う。
さつまいもをふかし、裏ごししてグラニュー糖をまぜたあと
栗の甘露煮のシロップで甘さを足す。
そしてかねてから用意していた、「くちなしの実」で色をつける。
きれいな黄金色になる。
ほどよい甘みが、口のなかにころがる。
この栗きんとんも中鍋にいっぱいできた。
大人数の意識が抜けないわたしは、いまでも何でもたくさん作りすぎて困る。




暮れに婿殿が可愛い寄せ植えの花を贈ってくれた。

春 夜        蘇軾作          

春宵一刻直千金    しゅんしょういっこくあたいせんきん
花有清香月有陰 花にせいこうあり月に影あり
歌管楼臺聲細細    かかんろうだいこえさいさい
鞦韆院落夜沈沈    しゅうせんいんらくよるしんしん
 
作者】  蘇軾 (1036〜1101)
北宋の詩人、文章家。蘇東坡とも云う
春の夜の静かな情趣を詠じた詩。



みなさまに取りましても、この一年が健やかで
ありますよう、祈念致します。