野菜が高騰している。
せっかく求めた野菜はなるべく使い切るようにしている。
いつだったか、夏の葉さんのブログで「ふきのとう味噌」が
おいしそうに紹介されていた。
モルトを片手に夫さんと盛り上がったようである。
いいなぁ、家庭の味の逸品は気持ちまでほっこりしてくる。
フキノトウ・・おいしそうだなぁと思うけれど、店頭にはない。
摘みにいかなければならない。
フキノトウには届かないけれど、わが家は「フキ」を買ってきた。
葉っぱもたっぷり付いた新鮮なフキである。
厚揚げとあっさり薄口で炊いてみたら、フキの香りがぷんぷんして
春の匂いを届けてくれる。
旬を告げるには早いけれど、食卓をにぎわせてくれる。
あと、しゃきっとしたフキの葉っぱをどうしよう!と
思ったけれど、捨てるにはいかにも惜しい。
大根の葉っぱの要領で「フキのふりかけ」に挑戦してみた。
ぴんと張った活きのいい葉は、きれいに水洗いし、
絞ったものを輪ゴムでまとめ
ベランダの陽にさらすこと、2日間。
パリパリに乾いたところで、鋏で小さく刻みフライパンで煎る。
そのあと、黒ゴマを同じように煎り、塩をまぶすと
さらさらの「フキのふりかけ」ができあがり。
熱々のご飯に載せたり、おにぎりにまぶしたり、と用途は広い。
こういう時、和食はいいなぁと思う。
いまダイコンが瑞々しくておいしい。
ダイコンやレンコンやサトイモやゴボウなどの煮物は飽きない。
使い残しのそれらは豚汁や、鮭を入れてかす汁にしたりと
使い回しがきき、重宝する。
そして栄養満点である。
今年は「ユズ」をたくさん使う。
焼き魚に、お造りに、サラダに、ふんだんに絞る。
ユズの香りは平安貴族のような優雅さを伴う。
大根と金時人参で、「紅白なます」を作るとき
お酢は使わず、ユズだけで味を調える。
まろやかで甘みのあるなますが、なんとも言えず箸を誘う。
外は冷たい風が吹き抜ける。
野菜をたっぷり使いことこと、シチューやハッシドビーフを煮込む。
ゆっくり食事の支度を整えるときのしあわせは、
勤めているときよりも一層深く感じ、からだも気持ちもほっこりする。