骨粗しょう症の注射

過日の新聞、N紙とY紙に「骨粗しょう症」の記事が一日違いで載っており
自分のお腹に注射をして骨を増やす新薬が開発された、ということにも
同じように触れている。


臨床試験では一年半の投与で腰椎の骨の密度が10%以上増えたことが
確かめられた、とあり、
従来薬の10倍ほど高いけれど
それでも想定の2倍のペースで利用されているそうだ。



骨粗しょう症は、加齢とともに骨の密度が下がってかすかすの
状態になり骨が折れやすくなる病気だ。
高齢化が進み関心の度合いが深いからか、重ねての記事は興味深い。


『加齢に伴う臓器の機能低下で骨の中のコラーゲンが低下し、
骨が弱くなることも一因だ』と
産業医科大学の中村教授は説明していて、すでに周知のとおりである。


骨の曲がった高齢者が典型的で
背骨の微小な骨折が少しずつ進み、変形していくと腰が曲がる。
腰が曲がると肺や心臓が圧迫されて機能が落ちやすい。
転んで手首や足などの骨を折ることもある。
足の付け根の大腿骨けい部をを骨折すると
寝たきりになるリスクが高い所以である。


骨がもろくなる骨粗しょう症の患者の7割は女性であるという。
女性の患者が多いのは女性ホルモンであるエストロゲンの減少が、
骨粗しょう症の引き金になり、閉経でエストロゲンが
減ると骨が減りやすくなるとされている。
閉経前に一度は骨の丈夫さを調べる検査を受けておきたい、と
警鐘を促している。



わたし自身も、骨密度の検査は「半日人間ドッグ」の
メニューのなかには必ず入れていて
50代に入ってから毎年、受けている。


「骨密度が若いころのピークの70%未満」が
骨粗しょう症の診断基準だといわれている。
わたしの場合は、かろうじて90%台を維持しているが
決して高くはない数値である。
ひどいときは、90%に満たない時期もあった。


自分の年齢の平均値では何とか100%台の数値を保っているが
これも、もう少し努力しないといけない。
あやうい水域である。


実姉は年齢での数値が140%というから、羨ましい。
ふだん、卓球などでよく体を動かしているせいもあるけれど
本人は若いころに罹患した子宮がんの再発を防ぐための
「ホルモン療法」を受けているからだとも言っている。
いずれにしろ、骨密度に関しては侮れない。


予防のためには、カルシウムを含む乳製品や、
ビタミン類が豊富な緑黄色野菜の摂取が望ましい。
ウォーキングなどの適度な運動も、もちろん必須である。
背筋をまっすぐ伸ばし、前かがみにならないよう姿勢に
気をつけることも大事なようである。

近親者に骨粗しょう症のひとがいると気をつけないと
いけないとも言われている。
わたしの亡き母親が腰が曲がり、その傾向にあったので
心配でもある。
なるべくなら、自ら努力して薬や注射の世話にもならず
骨密度の安全水域を維持したいと願っている。