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商売繁盛

感動・社会事象

同じ業種でもやり方ひとつで、こんなにも違うものなのだろうか。
いつもの散歩コースのなかに「焼きたてパン工房」がある。
昨年の秋ごろに開店したばかりだが、その集客の多さに驚いている。
いつ行っても、どの時間帯でもレジに列ができるほどの混みようである。


この「パン工房」が出来る前は、同じようなパン屋さんだった。
店内の3割ほどの広さに素敵な軽食コーナーがあり
日替わりパスタに焼きたてパンとコーヒーなどの飲み物が
セットになり、食べられるようになっていた。
時々、知人と待ち合わせそのランチを摂ったりしたものであるが
それなりにおいしかった。
何と言っても熱々の香ばしいパンとの組み合わせがいい。


ホテルのようだと感心するほど、店員の応対も気持ち良かった。
しかし、おしゃれで雰囲気のいいお店なのに
お客が、まばらなのが気になってはいた。


ある日いつものように訪れると突然、閉鎖になっていた。
つぶれたようである。
パンもおいしかったし、喫茶コーナーも満足していたのに
残念だなぁと仲間うちで話しており
半年ほどのあいだ、そちらは空き店舗になっていた。


そして昨秋の新規「パン工房」の開店である。
たまたまオープン時に居合わせると長蛇の列である。
どうせ、最初だけだろうと思っていると、どういうわけか
いつ行ってもパンを片手にお客さんが並んでいる。


TUTAYAが同じ敷地にあり、それを借りに来たお客さんが
パン工房に流れているのだろう。
子ども連れの若いママたちや、主婦層、高齢のカップルなど
様々な世代の顧客を取り込んでいるようである。


最初のパン屋さんと、どう違うのか・・・。
まず焼きたてのパンの種類が、倍ぐらいあるのでは
ないかと思えるほど多い。
価格も以前のお店より、少し割安な感じがする。
そして何より嬉しいのは店内でパンを食べる人に限り
無料でコーヒーが飲めることだ。


こうした何気ない経営者の配慮や商法が当たったのか
いつも大入り満員である。


もちろんセルフだから自分でカップを用意したり
淹れたりしなければならない。
小さなサイズの紙コップだけれど、それで充分である。
これがイケル、まずくはないのだ。


最近、家でコーヒーを飲まなくなったわたしは
たまにこうして挽きたての香りに囲まれるのも
いいなと思うようになった。
午後からの散歩のとき、焼きたての時間をみはからい
ひと息いれる癖がついてしまった。


お商売の基本はやっぱり「損して得取れ」なのか。
まずお客様に喜んでいただけることを
第一義としているように感じられるのがいい。
今の世、企業の大小問わず生き残るのは至難である。
こうした小さな心意気が事業を存続させるのではないかと思ったりする。