寒っ!

春先に降る、まとまった雨は、花が咲くのを促すという意味をこめて
「催花雨」と呼ばれるらしい。
美しい響きで「一雨ごとに暖かくなる」という言葉だが
低気圧の関係からか、寒気が入りなんと昨日の寒かったこと。


梅を観に行こうと楽しみにしていたのはいいけれど
この季節、特に薄ら寒い風の強い日は「何を着よう」と悩む。
春だから薄手の淡いピンクのスプリングコートを用意していた。
中に着るものもやっぱり春らしいセーターを羽織るつもりだった・・・。


ところが玄関を一歩出ると風が肌に刺さる。
ひゃぁ2月の厳寒のころのようだ。
また思い直し、準備したそれより少し厚めのアンサンブル風の
セーターを着込むことにし、結局ダウンを羽織った。
屋内でおしゃべりばかりする分にはいいけれど
梅を見ることが主で梅林を歩き回る。
寒いのを我慢するのはいやである。


かくして防寒スタイルで出かけたのだが何となく、そぐわない。
自分だけが浮いてそうで落ち着かない。
最近、電車に乗ってのお出かけも減り
服装に無頓着になってしまったように感じ、少し後悔も・・・。


それでも待ち合わせの場所に着くころは開き直り
久しぶりの皆との再会にそんなことは吹き飛んだ。
今日のメンバーはシニアナビで親しくなった方たちである。
初めてお会いするひとりは和服が似合いそうで知的さを感じさせた。


そんな彼女とも、いつものことながらすぐ打ち解け
賑やかに大阪城公園の8分咲きの梅を見て廻った。
平日であってもけっこうな人出である。
防寒着をまとっている人も多い。
甘い香りが漂いポカポカと、からだに日が射しあったかくなった。


昼食は混むことが予想され早めに取ることに全員一致。
大阪城公園近くにある38階のレストランを
メンバーのひとりが携帯で予約を入れてくれ
パノラマで下界を見下ろしながら、優雅にゆっくり摂る。
ランチの、お造りや里芋の煮ころがしや、手作り風ハンバーグに
舌鼓みを打ちながら、口も動かすのに忙しい。
おんな3人寄れば・・というけれど、それより
一人多いのだから、ほんとかしましい。


初対面の女性を含めて「本音」でモノが言えることがいい。
それぞれ生きてきた軌跡があり、ドラマのような人生を
お互い、具間見せながら話に引き込まれる。


思えば、みな妙齢の?独身女性である。
花も実もある健気さの残るカワユイ女たちである。
新しい人生が生まれる可能性だって充分あるのだ。
まだまだこれからだ、わくわくする。
どこに恋の芽生えがあるか、わからない。
でも感性の合う人との出会いなどそうあるわけもなく
おつきあいを育てていくのもたいそうなエネルギーがいるね、などと
ちょっぴり「オトコの品定め」のような会話に進展し
充実した大人の女性の時間?を愉しんだ。


きらきらと、太陽は春の日差しなのに風がやたらと冷たい。
いつの間にか、みぞれのような雨が降っており
冬装束は夕方、電車に乗るころにはやっぱり正解だったと思えた。
けれど心の中は友との再会で充たされ、あったかい。
ありがとう、皆さん。



大阪城を背景に咲きそろっていない梅を。