ロシアン・ティ

ぽかぽか陽気の一日である。
わが住居の10階から見下ろす中庭の桜も
ほんのり、色づいている。
こぶしの大木や、雪柳の小道もすっかり春爛漫である。
このところおとなしく、部屋で過ごしているわたしに陽光はまぶしい。



体調がまだ完全に戻っていない今、食欲も70%ぐらいか。
たくさん食べられないでいる。
そんななか、宿ハチさんがイチゴの「あまおう」をたっぷり
使ったジャムを作って、持ってきてくれた。
宿ハチさんはけっこうまめな人であり
仕事の合間に、気分転換に作るのだそうだ。


宿ハチさんの漬けるお漬物もおいしい。
冬は、ハクサイを赤唐辛子や昆布などたっぷり使い、漬け込む。
彼に言わせると手作りするほうが材料を吟味する分高くつく!と
言うことになるらしい。
おかげで市販の添加物入りのお漬物を食べなくて済むわたしは
しあわせといえる。


梅干やジャムは特にそうである。
彼はアメリカでおいしいジャムを探しまくった
経験がある。


これからは糠漬けの季節である。
寝かしておいた糠床をかき回し今年の分を新しく入れる。
毎日手を入れないといけない分、手がかかる。
わたしも以前、糠漬けはやっていたが出勤前にそれをかき回し
電車のなかで匂った経験があり以来、止めている。


キュウリやゴボウやキャベツのそれも、なかなかオツである。
お漬物は「発酵食品」だから、からだに良い。
若いころそのお漬物類にさほどの興味を示さなかったのに
最近、特においしく感じる。


ジャムに話を戻そう。
濃いめの紅茶に大さじ3倍分ぐらいのジャムを
落とし、黒糖を入れ、熱々をいただく。
これは、飲むともう体の芯からエネルギーが湧いてくるような気がする。
気のせいか、鼻水もセキもずいぶん和らいだ。
午後の紅茶は「ロシアン・ティ」としゃれこみ
ロシア人と紅茶にまつわる薀蓄をたーんと聞かされた。


数日前に作ったリンゴジャムと宿ハチさん手製のイチゴジャム。