楽しい発見!

例年になく桜と仲良しである。
わが家から数分のところにある「桜の小道」を
偶然みつけ、いたって気分がよい。


しかし何と言う迂闊さだろうか。
「桜の小道」と言える素敵なこの遊歩道をつい最近まで知らなかった。
散歩といえば、毎回ゴキちゃんのように律儀に飽きもせず
同じところばかり歩いていた。
方向音痴なわたしは、道に迷うのがいやで無難なほうを選ぶ。
そのせいでこの近場の格好の桜の穴場を見落としていたのだ。


昨年までは、いつもの川沿いの桜を中心に愛でていた。
狭い道を車が頻繫に通り、桜をゆっくり眺めようにも
仰ぐこと叶わぬ道路である。
それでも延々数キロ続くその散歩道も市のひとつの
名所になっていて魅力ではある。


今年は、ひょんなことから桜の小道を発見した。
郵便局や銀行などへ行くのに駅前のほうが
なにかと用事を済ませやすいから自然とそちらに足が向くのだが
先月、珍しくなじみの薄い近くの郵便局を訪れた。


その道中にたまたま、この遊歩道をみつけたのである。
ようく見ると桜の並木が続いている。
しかも静かな、人通りの少ない場所である。
知らなかった!いつできたのだろう?


石碑が○○事業と銘打って、建ててある
市が雑木林の一角を切り開き、田の畦や畑を埋めるなどして
人工的に作ったものと言える。
あちこちに木製のベンチがしつられてある。
きれいに造成された小川に沿って桜の木が、
どれぐらい植えてあるのだろうか。
けっこう長い道のりだ。


桜は、それほど高くはなく若い木であるが、
たくさんの薄桃色の花をつけ、伸びた枝が頬に
かかりそうなほどのところに固まって咲いている。
これほどたっぷり桜を身近に愛でたことはない。
我が家から近いから、毎日あでやかな桜に見入っている。


桜の木の他に白やピンクのツバキ、ユキヤナギスイセン
アジサイ、ジンチョウゲ、そして秋には香りを
醸すであろう金木犀が行儀よく植えられている。
ヒイラギモクセイもある。


それぞれの季節にはそれらの香りを愉しむことができるだろう。
ニクい樹木の選定である。
まったくどうして早くこの小道に気づかなかったのか。


昨年とは違う観桜に地団太踏む思いもあるが得をした気分でもある。
スケッチブックを片手に散歩する日も近い。
楽しい発見は日常を豊かにしてくれる。


今日も桜の舞う小道をゆったり歩いた。
わが家の庭のように・・・
たまには散歩道を変えてみるのもいい。
おいしい果実に出会えるのだから。