ボランティア情報

大震災から、ひと月が経った。
一瞬にして大切な家族や肉親、仕事や家を失った方の
心中を思うと、いまだかける言葉がみつからない。


仮設住宅に入居が決まり、ライフラインが整っても
どこから手をつけていいのか、わからないのが心情だろう。
日が経つに連れ、あきらめに似た哀しみが
被災者のこころを覆っているのではないだろうか。


支援物資など滞りなく行き渡っているのかと
憂いの種は尽きない。


世界中からそれぞれの能力に応じたボランティアが
駆けつけてくれ、被災者の慰めや日常生活の役に立っていると思いたい。
ボランティアに関することも、「善」ばかりではなく
求める側とのミスマッチも指摘されるなど
難しい面も浮き彫りにされてきている。


知人は、ある専門職に就いており、その方面での
支援をしたいと、被災地の情報を求めている。
あの震災のなかで認知症患者はいまごろ、どうしているのか。
どのような状態で生活しているのか。
何が必要か、可能な限りの情報を得たい。
そして現地へ出向き、患者さんをこちらのグループホームへ
預かるべく準備を重ねているという。


まずは地元の行政にその情報入手のために出向いてみても
「すべて自分たちでやってくれ」と、とりつくしまがない。
現地での食・住などすべて己で賄えることが
大前提であることは承知しており
情報収集のため役所に日参するが
まったく関知してくれないらしいのだ。


「これ以上仕事を増やさないでくれ」といわんばかりの応対に
知人は憤慨している。
せっかくの人的資源を、そして専門職にある彼らを活かす道は遠い。


困惑した知人が「ルートを知らないか?」とこちらに問うてきた。
わたしも、その面の情報にはうとい。
ネットで調べても見当もつかない。
ナビの、ある方に訊いてみるとやはり、その手の情報は薄いらしく
それでもご多忙に関らず2箇所ほど、調べてくださった。


さっそくサイトを訪れ、電話やメールで詳細を聞くことができたのだが
結論からいうと、いまの現状ではいくら手を差し伸べようとしても
肝心の被災者や団体とのコンタクトが取れない状況であることがわかった。


サイトは「認知症」を支援する法人格の団体もあり
各所から、専門分野のひとが被災地の患者さんのフォローをしたいと願い、
数百人規模で待機している現状だという。
それを生かしきれないというのはなんと残念なことかと思う。


手を差し伸べたい人と、善意を受ける側とのコーディネイトをする
団体や個人がいないからか、肝心のところで双方が
宙に浮いているような感じである。
いったいどうしたらいいのだろう。


こうしたことは数多あると推測する。
ケアなど必要とされる分野の、ボランティアが
随所に届かないのは大きな損失のように思える。
どうしたらスムーズにことを運べるのか・・・
何とかならないものかと、気を揉んでいる。