凛とした姿勢と「鼻呼吸ですよ」

きらきらと青葉が、まぶしい。
一年中で一番心地いい気候は、風邪など縁がなくなり
医者も青くなる季節であるらしい。


以前、ある女医さんが被災地の方に送った風邪の
対処法のメッセージが興味をひいたので
時期はずれだけれど、少し引用させていただく。


私は、かぜが疑わしい患者さんがいらしたら、
必ず、患者さんの舌を診察します。
多くは、舌の表面は乾燥していて、舌の先端から舌縁に
「歯痕」という歯の型がついています。
常に、舌の先端が垂れ下がって、前歯に密着している証拠です。


こういう舌をしている人は、口を開きやすく、ほぼ100%、
口呼吸または鼻-口呼吸をしています。
対策は、いたって明瞭です。
口を閉じ、舌を喉奥に向かって挙上した状態で、鼻呼吸をすること。


そして患者さんの姿勢を観察します。
老若男女問わず、大抵、猫背です。
テレビやパソコン画面を見続ける習慣のある人。
うつむいたまま、読書、携帯やゲームに没頭する人。
日頃の疲れがたまっていて、脊柱起立筋を使う元気がなく、
前屈みで歩いている人。


前屈みの姿勢は、実に大きな問題をはらんでいます。
頸部を前屈することで、気管が圧排され、息苦しくなるので、
つい口で「はあはあ」と息をしてしまいます。
息苦しいと体調が悪いので、イライラしたり、
不安感にかられるのも、特徴です。
さらに、前屈みの姿勢では、外頸静脈も圧迫するので、
頭部からの血流還流が滞り、うっ滞してしまいます。


顔の「循環不全」は、ウイルスなど外来微生物の排除や、
免疫反応、新陳代謝のいずれにおいても、決定的に不利です。
私は、頭部血流のうっ滞も、かぜの発症要因として、
大きな一因を担っていると考えています。


加えて、患者さんには、寝るときの姿勢を尋ねます。
「仰向けで、大の字で」寝ている人は、皆無です。
ほとんどが、横向き、うつぶせ寝が多い、と答えます。
横向きで寝れば、下側の鼻が詰まるのは、
皆さん、ご経験済みのことと思います。
「鼻が詰まる→苦しくて口が開く→口呼吸」の図式は、明白です。
うつぶせなら、なおのこと、気道が圧排されます。
そして当然、外頸静脈も圧迫され、頭部うっ滞が起こり、
かぜの発症に寄与します。


患者さんには、ただ「姿勢を正して」と言うだけでは、
ピンとこないことが多いようです。
そこで、「お侍さんや、茶道の先生を思い浮かべてください」と
具体的なイメージを促し、「お腹に力を入れ、胸を張り、
アゴをひいて、視線は決してうつむかず、凛とした姿勢ですよ」
と説明しています。


そして、家に帰ってからやるのではなく、診療後ただちに、
院内での待ち時間を利用して、姿勢を正し、鼻呼吸をするということに集中してみては、ともお勧めしています。



ということで・・・
また「かぜにマスク」は、本当に正しいかと疑問視している。


マスクをすると、鼻を覆うので、苦しくて、口が開く。
マスクをしているという安心感もあって、ぽかんと口が開き、
口が開けば、やはり、口呼吸が習慣となり、
風邪が一向に治らず、咳込み続けることになる。


周囲への感染予防という点では、マスク着用は仕方ないかもしれないが、
必要のないとき、例えば就寝時や、人ごみから離れたときには、
マスクは「はずす」ことを、進めてもいる。


風邪をひいても、薬がなくてもあわてずに、すぐに
自分で、姿勢と呼吸を見直してみる。
これだけでも、ずいぶんとかぜの回復は早まることと思う、
と言っている。


誰にでも当てはまる、この風邪への対処法・・・
見直してみてはどうだろうか。
マスク着用に関しても、わたしも同じ思いを持っている。
ずっとつけっ放しにすると雑菌がはびこり、かえって
健康を損なう、と、どこかの健康雑誌で読んだ。
鼻呼吸がいいようだ。
少しの意識改革で医者いらずになる。