いまどきの広告あれこれ

朝から雨である。
雨降りで1件の予定がキャンセルされ
別な日に繰り延べられた。


さて急に空いた時間・・・何をしよう。


新聞をめくると、一面に目も覚める、きれいな広告が出ている。


最近の、新聞の特大紙面を飾る広告は、
カラーであるから本当に美しい。
シニア向けの化粧品や、サプリメント広告が
これでもかと思うほど、載る。


それだけ需要と供給や、業界の関心が高いということか。
企業にとって製品の成分表示より、イメージが大切である。


多くの有名人を使い、若く見える普通のひとを画面いっぱいに
押し出し、その効果を狙う。
サプリメントなど摂ると、本当に元気で若くいられるような
錯覚を起こすほどである。


また化粧品に対する業界の新参入は驚くほどで
大手の酒造関連やフィルムの会社など目白押しだ。
企業の知名度は製品の中身より、安心を促すように感じる。


なにごともスピーディな時代にあって
「簡単に時間をかけずに」化粧の下地から
メイクアップまで、1本で賄える化粧品も登場している。


そして業界NO1!、売り上げNO!と高らかに、謳いあげる。
業界や売り上げが、ナンバーワンなんて誰が決めるのだろうか。
真相のほどもわからない。
なにしろ、表示や表現方法にも「特許申請」が競われる昨今だ。
早く「宣言したもの勝ち」の感がぬぐえない。


たくさんの広告宣伝費をかけている業界であるが
それに見合う費用対効果が期待できるのだろう。
原価は?と勘ぐってしまう。


時代の流れとして、いま「自然派」の傾向が大きい。
薬草配分で、からだにいいことを挙げる。


かつて社会人になりたてのころ、化粧品を使い始めたわたしに
父は「顔に毒を塗っている!」と言い、
「化粧はしないほうがいい」と苦言を呈した。
もちろん、そんなことに耳を傾けるわたしではなく
他の人と同様、素敵な広告に煽られ使った。


そして化粧品などに使用されている「界面活性剤」が、
顔やからだに悪影響を及ぼすことを
知ったのはずっと、あとになってからである。
あのときの父の言葉は正しかったのだ。
どうしてそんなことを知っていたのかと、今になって思う。


「界面活性剤」が石油のコールタールからできていることは
いまや周知のとおりだ。
添加物やそれらは皮膚を通し肝臓に蓄積され
肝臓障害などを起こすことも知られている。


石油系の化粧品が主だった時代、多くの化粧品の害が
皮膚科を訪れる患者の多さで露呈し、
大手の化粧品会社とのあいだで裁判が水面下で行われていた。
決して企業の名前など出てこない。


今の報道と同じ原理で広告は大切なお客様だから
マイナスな面は表に出ることはない。


わたしも20年ほど、ある大手のそれを使っていて
シミや顔焼けに悩まされた。


40代後半になると湿疹やかぶれが表面化し、どうにもならない。
痒いのと像のようなカサカサ肌に耐えられず
皮膚科の門をたたいたことも数知れない。


皮膚科の医師は、ステロイド剤を惜しげもなく処方する。
ステロイドの知識をかろうじて持っていたわたしは
もう皮膚科を訪れることを止め、きっぱり化粧から遠ざかった。


そのことが功を奏し、徐々に元の健康な肌に戻っていったが
メイクもできない時期、働いており、人と会うことが
辛かったのを覚えている。


今は、まったく宣伝もしない地味な、無名の会社の製品を使っている。
「脱石油系!」に目覚めて10年が経とうとしている。


たくさんの華々しい宣伝のなかで、中身をしっかり把握しないまま
企業の名前だけで安心して自分の肌やからだを委ねたりすることの
危険を思う。


化粧品しかり、サプリメントしかり・・・・。