これからの愉しみごと

職を辞して、意のままの 日々を過ごしている。
かろうじて、雨露をしのぎ粗食が得られる状態にいるのが
幸いであるがこれから、平均年齢の80歳代まで
生きるとしたら未だ20年以上はある。


この黄金期、言葉を換えて言えば、終焉期をどう過ごすか・・・
事業を立ち上げても間に合う感じすら、ある。
もちろん、わたしにはそのような才はないし、したいとも思わない。
だたひたすら安寧な日常を貪るのみである。


シニア・ナビの皆さんの生活動態を拝見していても
実に威風堂々とし、多彩である。
現役で仕事を続けておられる方や、趣味に興じている方など
居ながらにしてその多才さを知り、みているこちらも発奮したくなる。
かつての「老後」と言うのとはずいぶん趣が違ってきた。


わたしも「退職後の時間」というのを待ち望んでいた。
在職中から目標を定め、退職してからその受験にも備え
あらゆる準備をしていたのである。
ところが、何と言うことか!!!
目標としていた某大学院は、社会人聴講生の受け入れを中止したのである。
いかなる理由があるのか、これには驚いた!


別の大学を目指すべく捜したがそれ以外のところへは通う気がしない。
関心のある心理学を極めようとしていたのだが
肝心の「師」がみつけられないのである。
時間とお金をかけるのだから納得のいく師につき、学びたい。
一年ほどを準備や検索に費やし、さんざん迷ったあげく
結局、その方面での学びは断念することにした。
卒業後のやりたいことと連動させていたから多少の勇気も入った。



在職中から同僚等に声高に宣言していたことから
まったく厚顔ものであり、オオカミ少女のような感じである。


趣味も若いころから色々かじってはきたが
どれも中途半端でモノになっていない。
あれもこれもと八方美人的に欲を出したせいである。


今まで費やしてきた時間のなかで一番役に立っていることは
「美術館めぐり」ではないだろうか。
本物を鑑賞する・・・
このことは仕事がら、たくさんの機会に恵まれた。
わたしの財産(お金の価値はない)とも言える。


これからの20年、30年を生きることにおいて
やはり目的意識は持っていたい。


たまたま、「水彩ソフト」で遊んでいたことから
退職後、少しそれに時間を当てるようになった。


パソコンなら簡単と思いきや、なかなか奥が深い。
ソフトを使いこなすために教室にも通ったが
ビデオでの学習は一方通行で、物足りない。
おまけにインストラクターは絵が描けないのである。
訊きたいことに答えられない。
3ヶ月ほどで辞めてしまった。


今でもわからないことばかりだが
以来、孤軍奮闘しながら書籍で学ぶ日々だ。
昨年、関東在住の書籍の著者に弟子入りし通信で学んでいる。


かくして、わたしのリタイア生活は
それまで抱いていた目標とは違う方向に向かっている。
軌道修正である。
それもいいかなぁと思い始めている。


自分の人生だ、自分の人生を生き切りたい。
そしてあれもこれもではなく、一つのことに絞り込み、
じっくり学び、愉しみたい気持ちが強い。


70歳になっても、80歳になってもパソコンに向かい
絵を描いている自分を想像すると愉しい。


願わくば、同じ志を持っている方との作品展など開催したい。
そして絵を描くことが好きな人と一緒に学べる「さろん」を設立したい。
夢はどんどん膨らむ。


時代は変わっている、愉しみごとも変遷する。
パソコンで絵を描くという、ささやかな目標が
わたしを元気づけてくれる。



ギャラリーでアップしたマガモを描いてみました。