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続・K子の場合

知(痴)人の愛

昨年5月、このブログのなかで男と女と題して
友人「K子の恋愛」について触れた。


あれから1年以上が経ち最近、彼女に予期しない大きな変化が起きた。
まったく晴天の霹靂である。
彼女の了解のうえで、そのことに触れてみたい。



これまでをご存じないかたは、履歴をどうぞ・・・
K子の恋愛の軌跡を7回に渡って書いています。


①K子の場合
http://d.hatena.ne.jp/mursakisikibu/20100508/1273278200




メタボ男と別れたK子は、しばらく男性とつきあうのを
やめようと思っていた。
去っていった男も傷ついたかも知れないが、
こちらも充分その代償があり、気持ちの整理がつかない。


傷心の彼女に、またしても男性が現れたのは
メタボ男との別れから半年ほどが経ってからである。
長いか短いかはそれぞれであるが
やっぱりK子はモテるのである。
男が捨てて置けないタイプなのだ。


肉体的美人でも、目の覚めるような顔立ちでも
目立ちたがりでもないのに
清楚な顔立ちと知性を感じさせるK子が
ふと見せる影のようなものに男心が
くすぐられるせいかも知れない。


バツイチの彼とはジャズ・ボーカルのカルチャー教室で出会った。
ジャズの仲間で2歳年下のスリムな男性だ。
最初は、ジャズの稽古が終わったあと、他の仲間を交えて
お茶を飲んだりする程度だった。


それがいつしか、二人だけで夕食を摂るようになり
プライベートな会話に進展していった。


別居はしていても、なかなか縁が切れない夫とのあいだは
依然そのままで、K子は身動きが取れない。
それでも相手は承知でつきあうことを希望した。
彼女もその男を意識し憎からず思っていたようで
「優しくて物静かなところがいいのヨ」
わたしに、のろけて見せる。


おまけにふたりの住むところは近く、どんどん急接近し
結婚を前提につきあうようになりお互いの家を
行き来するまでになっていった。


毎日、毎日、彼からは熱いメールや電話が届く。
現役で仕事をしているにも関らず、朝に晩に
たっぷり話すのヨ、と会話の多さにK子は嬉しそうである。


彼との食事の頻度も多くなり、いつしかお泊りの旅行へも誘われる。
結婚を前提に、と始まったおつきあいではあるが
K子のほうは、なぜかさほどの愛情が湧かない。
感性のずれを感じ始めた。
確かにまじめで一生懸命で、悪くはないのだが一緒にいても楽しくない。
当然、まだ清い関係である。


彼は付き合い始めてから頻繫に旅行に誘うになり
K子のほうは、なかなか気持ちも奮いたたず、相手は業を煮やす。


そのうちストーカーのように、神経症レベルの催促が始まった。
観念したようにK子はいっとき、その旅行を承諾すると
彼は大喜びで、弟が経営する旅行代理店に手配を頼み
旅行を指折り数えて待つ。


一方、彼のはしゃぎようを尻目に
K子はどうしても気が進まなくなった。


相手は結婚しようと熱くなっている男だ。
自分も了承した。
しかし、はっきり言って「抱かれたくない」気持ちが優先する。
一緒の部屋で過ごすことを思うだけで、身がすくむ。
日が近づくにつれK子はだんだん憂鬱になった。


思い切って旅行のキャンセルを告げると・・・
「やさしくて物静かな」男は豹変し、声を荒げて言い放った。
「どうしてくれんだ!弟に申し訳が立たない!」
「キャンセルするなら費用を全額弁償しろ!!」


もう、会話を交わす元気も喪失し
すべて彼の言うとおり、旅行の費用を相手の口座に
振込み、ふたりの仲はジ・エンド。


あとで彼からはずっと、ずっと未練たらしい侘びのメールや電話が続いた。
しかし元に戻ることはない。


まるでシニア・ナビの理学博士の「恋愛論」に出てくる
振られた男、そのものの体である。


K子いわく・・・
「わたし、やっぱり男の人に縁がないのヨ」
かくして優しげな年下男との恋愛は1年を経ずして
終わってしまったのである。


次回に続く


マチルダ