有馬の湯を愉しむ

先日は六甲山系(瀬戸内海国立公園に属し標高931.25米)で
過ぎ行く夏の山々を親しみ その足で北側の麓にある温泉を訪れた。
満足度が高かったので、紹介したい。



温泉は、三大薬湯と言われる有馬温泉である。
(他は群馬県草津温泉と新潟県松之山温泉)
有馬温泉は余りにも有名なので多くの人が訪れているはずだ。
ここはかつて関西の「奥座敷」とも言われた日本三古湯の一つで、
枕草子にも三名泉として書かれているらしい。
ひなびた温泉郷には 有名旅館やホテルがひしめいている。


有馬温泉は、活断層である有馬高槻構造線の
西端にあるので、地下深くまで岩盤が割れており、
その割れ目を通って地下深くから 温泉水が噴出している
構造であるとウイキは言う。

「金泉」と「銀泉」の名称は、有馬温泉旅館協同組合の登録商標とか。
訪ねたのは、『太閤の湯』である。
豊臣秀吉が、たびたび有馬温泉にきていたので、そこからの命名らしい。



泥状の温泉がまったり
画像はお借りしています。


秀吉が造らせたとみられる岩風呂と蒸し風呂の遺構が
阪神大震災(1995年)で被災した極楽寺の境内から発掘されたのを、
そっくりそのまま再現したお風呂が『太閤の湯』の最大の目玉だという。


こちらの温泉は、何度も作務衣のような部屋着に着替えなければならない。
近代化されたシステムが面倒で、場内でウロウロし
違和感があったわたしも、慣れてくると
効能のある温泉を享受できるよろこびに変わってきた。


こちらでの「岩盤温泉」は、2回目である。
でもいつも敬遠していた。
岩盤浴には、数年前に韓国・ソウルで体験したことが、
少々閉所恐怖症になっていたのだ。
何しろ、あちらの岩盤浴の部屋は、暗くて汚い天井の低い洞窟のようで
立つと頭を打ちそうな狭い空間も、耐えがたく早々に
部屋から退散した記憶がある。
もちろん一流の店であったがそれがソウルの常識なのか、
特徴なのかはわからない。


ところが久しぶりに、麦飯石と芦野石の金泉蒸し風呂岩盤浴に
挑戦してみるとなかなか良い。
石にタオルを敷いて寝ているだけで汗が、どんどん
したたり落ちてくる。
20分も入っていると全身汗でベトベト・・・。
この汗にデトックス効果があるというからかなり我慢して汗を出した。
出たあとすっきり気分爽快!一年分の毒素を出した気分だ。


毒素をだすと、屋上にある露天風呂へ直行。
太閤の湯を復元した名物で、どろりとした一番の値打ちらしい
100%の掛け流しである金泉の湯には、長時間の入浴は身体にさわるとある。



こちらの画像もお借りしています。


「ねねの蒸し風呂」は、からだにぷくぷくと気泡がたち
まるでサイダーのなかに浸かっているようである。
薬草の香り高い「ハーブ温泉」で肌もすべすべ。
ひとりでじっくり眠ることもできる?「五右衛門風呂」など、
全部愉しむと湯あたりしそうなほど種類が多い。


3時間の温泉タイムは
充分からだをほぐしてくれる。


有馬に関する歌が百人一首に収録されている。
作: 大弐三位 (紫式部と藤原宣孝の娘)

有馬山猪名の笹原風吹けばいでそよ人を忘れやはする