読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

濁流を眺めに、そして鉄橋も渡った

感動・社会事象

台風12号は、のろのろとやってきて、ようやく過ぎ去った。
近畿でも当地では雨と強風だけで済んだが
各地で大きな被害が出ている。


被災された地域の皆さまには、お見舞いを申し上げます。


わが住居の裏にある小さな川(2級河川)も、朝起きるとゴォーゴォーと
不気味な水音をあげ、水かさが増えている。
あっという間の増水である。
ふだん魚の棲む澄んだ川面が、一変して茶褐色の濁流となっている。
今まで見たことがないほど水の流れも早い。
足をすべらせ、落ちたりしたら、完全に溺れ飲み込まれて
しまうだろうな、などとあらぬことを考えながら
湿り気を含んだ朝の散歩をした。


水かさの増えた川で思い出すのは、小さかった頃
同じように台風で増水した川を
台風が過ぎ去ったあと、近所のガキ大将たちと
見に出かけたことである。


それは、川と田んぼと小道の境目などなく
見渡す限り広い水の流れである。
中心で渦を巻いている。
吸いこまれそうで、足がすくみ、子どもながらに
恐ろしさを感じ早々に帰ったものだ。
大人になった今でも渦巻の情景が、くっきり浮かぶ。
父母にこっぴどく怒られたのは、言うまでもない。


このことに懲りずに、もっとスリル満点の体験がある。
川幅や距離は失念したが そんなに大きな河川ではなかったと
思うのだが今度は、その川に架かっている鉄橋を
近所の遊び友達と渡ったのだ。


小学生のころは男や女にかかわらず、みな一緒に遊んでいた。
そのワンパク達に誘われ悪戯こころで、試したのが「鉄橋わたり」である。
向こう見ずで怖いもの知らずの代表格だ。
鉄橋を渡るときのあの恐ろしさと、スリル感!
後ろから列車がやって来ようものなら、逃げ場がない。
列車にひかれるか、川に落ちるかだ。


鉄橋を渡るとき足元の枕木のあいだから、流れる川が見える。
「落ちたらどうしよう〜」などと思いながら
好奇心とスリルの誘惑には勝てなかった。
もちろん親には秘密の行為である。
今の子どもたちの親世代が知ったら卒倒するだろう。


そんな無謀な遊びを近所の悪友と繰り返していた。
様々な冒険をして大人になる時代が、あった。
いまは素知らぬ顔をしておくびにも出さないわたしだが、
「オモシロ怖い」体験はずっと心に残っている。


図らずも、台風の余波から増水した川をみて
告白をしてしまった。