貧困の連鎖

長引く不況や高齢化により生活保護を受けている人が205万人を超えた。
戦後の混乱期を上回り、過去最多であるという。


過日のY紙によると・・・
高度成長とともに減少していた生活保護の受給者数は
経済危機が深刻化した1990年代後半から増加に転じている。
特に注目されるのは、働き盛りの受給者の増加だという。


高齢や病気、障害といった理由がないのに保護を受けている受給世帯は
10年前の7%から現在は16%に急増していて
近年は雇用保険に未加入の非正規労働者が、失業によって一気に
生活保護になるケースが多いとも言われる。


景気回復による雇用状況の好転を待つばかりだが、生活保護
至らないようにするための方策も待たれる。


生活保護が増加する、もう一つの背景は高齢化であり
ひとり暮らしで困窮するお年寄りが増えている。


低年金・無年金の人は生活保護を申請するしかないのだろうか。


今年度の生活保護給付は過去最大の3・4兆円に上るとみられ
生活保護の負担がこれほど膨らむのは、雇用や最低賃金
年金や医療・福祉など制度に不備があるからだと指摘している。


Y紙の連載のなかでは「生活保護世帯の連鎖」にも触れていた。
親、子ども、そして孫と3世代に渡って受給している世帯が
増えているともいう。
生活保護世帯は、教育に関する意識が低く、中卒や高校中退などで
正規の雇用に就くことが難しく、いっそう貧困に拍車がかかるようである。


ちなみに大阪市の生活保護費は約2,900億円、
今年度予算で一般会計の2割弱を占める。
割合は10年で倍増し、受給者を
支援する「貧困ビジネス」も広がった。
不正受給もあとを絶たない。


財政負担を軽くするためには雇用の創出しかない。
貧困からの脱出は、働くことしかない、と結んでいる。


今月27日の大阪「2011ダブル選」では、貧困対策や
膨大する生活保護費にも焦点があてられ、一番多い西成区で
対戦候補者の舌戦が繰り広げられている。


しっかり論じてもらい実効性のある施策を
講じるひとに一票を投じたい。