脳に刺激を与えよう

う〜ん・・・。
顔はわかるけれど、名前が出てこない。
頭にモヤがかかった感じで思い出さそうとすることすら、面倒だ。
思い出せないことを、年齢のせいにしてしまう自分がいる。


歳をとると、脳細胞がどんどん死んで減っていくという説もあった。
しかし、あきらめる必要はなく、最近では努力しだいで
脳を若々しく保てることがわかってきた、という。
訓練次第でずいぶん改善されるそうだ。


近藤勝重氏の「しあわせの雑学」から
《こうすれば脳はいきいきしてくる》によると・・・


なぜ、名前と顔が結びつかないのか。
脳には右脳と左脳があり、右と左、それぞれ担っている役割が違う。
顔と名前を記憶させる場合、脳の情報は画像情報だから右脳に入る。
名前は文字情報だから左脳に入る。
顔と名前を一致させるときは、右脳と左脳をつなぐ必要がある。


例えば、テレビでパッと人の顔を見たらその情報を右脳に送り
蓄えられていた情報から「このひとの顔」と判断する。
確認した情報を右脳に送り、たくさんの情報の中からひとつの名前を探し出す。


わたしたちの脳は、短時間に大変なことをやってのけていることになる。


とくに顔から名前を思い出すのは、名前から顔を思い出すよりずっと難しいそうだ。
脳の専門家の話によると、顔の情報(画像情報)は、
名前の情報(文字情報)より、情報量が多い。
右脳から左脳へ送る情報量は多くなり、双方をつなぐ回路は
複雑になってしまう。
うまくいかないと、顔はわかるのに名前が出てこない結果になる。


ポイントは右脳と左脳をつなぐ回路だろう。
ここを活性化させれば、いいと近藤氏。
それには普段から人の顔をみたら名前を思い出す訓練をすると効果があるそうだ。
テレビを何となく見ているときでも、出ているひとの名前を思い浮かべる。
思い出させないと、すぐにあきらめないでやってみる。
くりかえしていると「名前が出てこない」ことは減るそうである。


歳をとると、脳細胞が何万個と死んで減っている一方だという説も
間違っていることがわかってきた。
人間の記憶をつかさどる海馬や、創造にかかわる前頭葉の細胞は
刺激を与えれば70歳を超えても増えていく・・のだそうだ。


どうしたら刺激を与えることができるか・・・
体を動かすこと。
歩くと足や手が動く。
その刺激が脳に伝わる。
あるいはあごを動かす。
食べ物をよく噛むとあごを使い、その刺激も脳によい。


大脳生理学の権威、大島清(京都大学名誉教授)は
脳への刺激は、手からが25%、足からも25%
あごからが50%あるという。


舌を口からベローンと出して左右に動かすのも効果的だという。
目を上下左右に動かす。
指を折ったり開いたりすることも、いい、という。


年齢を経ると失うものもある代わり、得ることもあるらしく
あきらめずに、脳の刺激になることをやってみたい、と
思うこのごろである。