除夜の鐘 

 
除夜の鐘は暗い遠いい空で鳴る。
千万年も、古びた夜の空気を顫〔ふる〕はし、
除夜の鐘は暗い遠いい空で鳴る。
それは寺院の森の霧〔きら〕つた空……
そのあたりで鳴つて、そしてそこから響いて来る。
それは寺院の森の霧つた空……


中原中也の「除夜の鐘 」である。
大晦日の夜も更け、いよいよ新しい
年を迎えようかというころに「遠いい空で鳴る」
荘厳な響きは寺院の鐘だろうか。
梵鐘の梵には、限りなく美しいとの意味があるそうだ。


除夜の鐘は、人間の百八つの煩悩を取り去るだけでなく
その響きに浴するだれにも
「来年もまた、限りなく美しい心で」との誓いを促すものかもしれない。


今年一年を振り返っても、またこれまでの来し方を思っても
「恥多し」ことばかりである。


来年こそはと思いつつ、同じ愚を繰り返している。


2011年も、今日で終わり・・・
除夜の鐘に神妙に心を研ぎ澄ませ、来る年を迎えよう。


皆さま、良いお年を・・
この一年おつきあいいただき感謝申し上げます。



万博公園のマンリョウです。