甘え上手は生き上手?

子どものころから人に甘えるのが下手だった。
なんでも人に頼らずホイホイと自分でやってしまう。
良く言えば自立心旺盛なのだが、別の見方をすれば、
生意気このうえないことになる。
この歳になって「下手な生き方をしてきた」とつくづく思う。



万博公園の梅(玉牡丹)


企業に勤務していた頃 若い人たちと、仕事を終えるとよく食事に出た。
親睦を兼ねるそれは、仕事に役立つから夫公認でもあった。
「わたしについておいで!」とばかり姉御のように
彼らをひっぱり、口角泡飛ばした時代が懐かしい。


食事代は 割り勘が当たり前であり、奢られるのが好きではないが、
たまに後輩には奢ることもある。
今なら年長の男性には甘えても良かったかなぁと思う。
本当に虚勢を張る、可愛げのない女だった。


最近そんなDNAを娘が継いでいるように感じ、心配になる。
娘もめったなことでは、人に甘えない。
車で10分ほどの距離に住む母親のわたしにさえ依存しない。
歯医者や美容室に行くにも二人のチビを伴い
3人目の妊婦検診も子連れで行っている。


一方で同年代の私の知人などは退職してからしょっちゅう、
子守に駆り出され孫可愛さで、まんざらでもなさそうだ。


わたしも娘に「たまに潤平たちを置いていったら?」と言っても
何でも一人でやってのける。
親のわたしにも頭を下げたり、頼んだりが面倒なのか・・・。
こういう変なところが親に似ている。
無論、わたしも 常に孫の面倒が見られる状態ではなく
そのあたりを察知しての行動と受け止められる。


早いもので娘の出産日が近づいてきた。
こちらの都合を調整していつでもチビたちの面倒を
見られるよう、わたしも準備をしている。
また小さい赤ん坊を抱けるのかと思うとうれしい。


そんな思いは、婿どのの母上も同じで
産後の嫁の面倒を「両方で見ましょう」と提案してくれている。
かの母上には3人の子がおり、孫たちは同じ学年である。
同居している長男と近くに住む娘のところはもう子ども生む
予定もないらしく、3人目を産む婿どの宅は、いま気持ちが熱い。


婿どのは、どちらかというと実母より、義母であるわたしを
頼りにして、実母の方を断ろうかと言っているそうだ。
「どうしよう?」と娘が訊く。
そりぁ、義母より実母のほうが、気兼ねがなくていいだろう。
それに私もずっとみてやりたい。
しかし「あちらのお母さんにも甘えたら?」と、答えた。
「お願いします」のひと言が案外、姑にとっては嬉しいものである。
遠慮されると可愛くない、甘え上手は潤滑油だ。


産後十分休養できないママが多い中で、双方の親が近くに住み
生まれてくる赤ん坊を皆で待ちわび、連携して世話をしようと言っている。
こんなしあわせなことはない。


娘も神妙に甘えることにしたようである。
わたしは密かに天に感謝をしている女親である。


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ネコヤナギが顔を出しています、万博公園にて