「ジュンくん、くつそろえなさ〜い!」

5歳児と3歳児の孫と遊んでいる。
わが家に入ると3歳のかえでは、靴をきちんと
揃えて並べると、おにいちゃんに一喝!
「ジュンくん、くつそろえなさ〜い!」
まったく、どちらが兄か妹か・・・。


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何回も洗たくして擦り切れたかえで愛用の猫ちゃん
ママが独身のころから持っていたものだ。


二人はばぁばンちでの、お泊りは初めてである。
言い含められているらしく「ママは?」とも聞かないし泣きもしない。


それでも大好きな「トウチャン」が迎えに来ると途端に目を輝かせる。
一緒に病院へ行ったり遊んでもらったりと、嬉しそうだ。
ガラス越しの赤ん坊を見て話しかけたり
ママにしっかり抱っこされたり
ふたりは大安心の境地で、ばぁばの家に戻る。
ママの退院が待ち遠しい。


チビたちのデザートの嗜好が変化している。
「みかんむいてぇ、りんごむいてぇ」
あれほど要求していた果物のオンパレードは、ぴたりと収まり、
いま「きなこヨーグルト」にはまっている。
いつもばぁばが朝食に摂っているもので初めて食べさせてみた。
ヨーグルトに、きなこ、黒砂糖、黒ゴマ、レーズンを入れている。


ヨーグルトは彼らの好物だが「きなこと黒砂糖入り」は初めてらしい。
「ばぁば、お代わり!」ふたりは何度もお替りする。
もっとも小さなアイスの器に少し盛っているだけだ。
先日など市販のヨーグルトを一度にふたりで1個平らげてしまった。
こんなに食べさせていいのだろうか・・・
ばぁばは心配になる。


ふたりは、段ボール箱をみつけては引きずり出し入ってみたり
新聞紙に落書きをするなど、盛大に部屋を散らかし、遊ぶ。
ソファから飛び降りたり、部屋を走り回るなどの
危ないことにばぁばは、目を光らせ、あとは好きにさせている。
好奇心旺盛でなんでも彼らの遊び道具に変身し、
テレビのリモコンや仏壇の鐘など探し回る始末である。


公園の遊具で遊ばせていても最近は、3歳が
5歳と同じようなことをするようになり、片時も目が離せない。
滑り台に上り滑っていても下から見上げると、
目がくらみそうになるほど高く感じ
そのてっぺんでふたりがじゃれあうなどすると、
落ちはしないかとこちらは、肝をつぶす。
「もう降りなさ〜い」あわてて3歳を降ろす。


ブランコも身のほど知らずで「もっときつく押してぇ」
お兄ちゃんを真似て立っている。
3歳の催促はおそろしい・・・。
ふだん甘あまのばぁばも般若のような顔つきになっていることだろう。


自分の子育てのときはさほど感じなかった「危機意識」と
いうものがいっそう感じられ、何をしていても
怖さを感じるようになった。

年齢を重ね、臆病になったのか「一瞬の事故」の惨状を危惧するせいか。
若いころの危機意識とはずいぶん感覚が違う。
毎日ギャングたちの相手をしていると疲れるけれど、
今しかできないこの孫遊び、しっかり愉しもう。


俊敏性も鍛えなくては、と奮起しているところである。

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