今日の1枚、10年前のわたし

10年ひと昔とはよく言ったもので
その間の変貌たるや人間の顔も例外ではないらしい。
年々歳々とは言え・・・花も人も変わる。



自画像を描いてみようと思い立った。
鏡を見ながらというのも、しんどい。
ならば写真でもと引っ張り出すが、日を追うごとに
引力低下の自分の顔、見られたものではない。
怖いもの知らずのわたしもそれほどの勇気はない。


かろうじて5年から10年ほど前なら悪趣味ではないような気がする。
(これは自分だけの納得・・人さまはあきれるだろうが)
着物姿の全身を描いてシニアナビのギャラリーにアップしたものの
解像度が変わるのか、画像が劣化して表示される。
それに心持ち横広がりの感が・・・
確かにあのころは、ふっくらとしていた。
戻りたいぐらいである。


着物は、ここ10年近く袖を通していない。
夫が逝ってから、どういうわけかあまり着たくない。
思い出につながるからか・・・。


絵の着物はある「作家もの」の紬である。
紬は大島や結城など、紺青や泥の色をしたものが多い。
あの渋さがたまらない。
絵の中のそれは、こげ茶地にかるた模様を
あしらった地味なものだ。


ざらざらした感触の紬をしっくに粋に着こなすのが好きだ。
「柔らかもの」をふんわり着るのも、もちろんいい。
上品で人間がひとつ上等になれるような気がする。
きりりと背筋を伸ばし街中を歩く。


そのうち引っ張り出そう、と思いながら日は過ぎていく。