喫茶店考

[最近、喫茶店に行かなくなったわぁ]知人が言う。
わかるような気がする。
「ケチになったわけではないのだけれど、
もったいないと思うようになったのよね。」
わたしもよほどのことがない限り足を向けなくなった。



画像はお借りしています。


最近の喫茶店はスター○ックスなど、オープンカフェのように
屋内であっても壁がなく外からも見える形式が多い。
並んで注文し自分でカウンターまで取りに行く。
ざわざわとした雰囲気で落ち着かない。


かつてのアンティーク調の「純喫茶」なるものは
すっかり影をひそめている。
クラシック音楽が流れる静かな館内で
ジノリなどの素敵なカップで淹れたてのコーヒーをいただく。
ほのかなランプシェードのインテリアも心がなごみ
ゆったりと至福のときを過ごすのは何ともいえない幸福感がある。
そんなティータイムが好きだ。


彼女とわたしが、喫茶店を敬遠するようになったのは
自分で取りに行くセルフが好きではないのと
インスタントっぽい珈琲を「おいしくない」と感じているからである。
年齢的に舌が変わってきたのか、あるいは(水)に
こだわっているせいか、最近は特に我が家で淹れるそれが
一番おいしいと感じるようになったせいでもある。


多少高くとも満足できるおいしいお茶なら嬉しいが
おいしくないものにお金を出す気になれない。
だからもったいない、となる。


むろん喫茶店は、お茶を飲むこと以外に語らいや癒しの場でもある。
かつて仕事の合間や終了後に喫茶店に寄ることも多く
誰にも邪魔されずに本を読むこともあった。
気分転換や、ひとりになりたいときに重宝する。


年齢を重ねるごとにそんな愉しみが減ってきているようで寂しい気もする。
その代わりどこへ行くにも「THERMOS」持参である。
映画館や、長距離のウォーキングにもマイ水筒が手離せない。
冬は熱い紅茶や緑茶を、夏は冷たい紅茶に氷をいれて持ち歩く。


いまの季節、ふぅふぅ言いながら熱々を、チョコとともに口に含む。
これも楽しい。
でもたまにはおしゃれな喫茶店や優雅な雰囲気のホテルのロビーで
味わうそれも忘れたくない。
欲張りなわたしがいる。



ひとつひとつの花は小さいけれどよく見ると可愛い。ほのかに香ります。