手前味噌

わが娘は、3人の子持ちである。
この春に生まれた第3子も、首が座るようになり
母乳のわりにはでっぷりと太り、糸のように細い眼も
可愛い口元も、大きなほっぺに埋もれんとしている。
アンパンマンといい勝負だ。
それでも誰かれなしに、にっこり笑うアイソ良しでもある。



さすがに3人の子育ては忙しいようだ。
核家族だからすべて夫婦で担う。


今春から2番目も幼稚園に入り、赤ん坊を連れての
幼稚園の送迎が、ひと仕事ある。
二人の帰宅時間に1時間ほどズレがあり待たねばならない。
園庭や隣接する公園で2番目を遊ばせながら
一日の大半をこの送迎に費やす感じだ。


チビたちが幼稚園に入るとママ友との交流も盛んになり
お互いの家を行ったり来たりして子どもたちと同じように
交友を深めている。


ママ友のあいだでは、娘が「3人の子どもを持つ」ということが
当り前の感覚であるらしい。
それほど主婦業にどっぷりつかっていると言える。
嬉々としていまの生活を愉しんでいるふうでもある。


娘は独身のころキャリア志向で、どちらかというと
仕事ができる方の人間だった。
退職するまで企業では、それなりの業績をあげており
ずっと仕事一筋でいくのかと親のわたしは、気を揉んでいた。


現に娘の友人たちは未だ独身で、女性であっても
それなりのポジションに就き、精力的に仕事をこなしている。


あっさり仕事から引いた彼女はいま、育児や家事に専念し
たくましいママさんになっている。


そして驚くべくは、けっこう料理上手だということ。
前にも触れたかもしれないが、心底
「食べることと、作ること」が好きらしい。
まめに、いろいろ作っている。
子どもが小さいから手を抜いたら?と親のわたしは思うほどだ。


もちろん、気分が乗らないときなど半加工品も利用するようだが
ほとんど手作りで料理を愉しんでいるふうである。


たまに娘のところで夕食をよばれることがある。


急きょ、あり合わせで作ったというグラタンのおいしかったこと。
イカやエビやブロッコリーなどふんだんに使い
どこかのレストランの味にも負けないと感じるほどである。


きのこや玉ねぎをたっぷり使った「ミネストローネスープ」も
彼女の定番だそうで、チビたちがニコニコと何回もお代わりをしている。
ホワイトソースやデミグラスソースの類もわたしなど
面倒でつい市販を使うが、彼女は一切使わない。


「レンコンのきんぴら」や「小松菜のお浸し」など
余りものだけどと、言いながら冷蔵庫からどんどん出してくれる。
それほど一度に食べきれない・・・


家計をやりくりしながら、食卓はぜいたくで愛情たっぷりである。


病弱であっても、まめで料理好きな父親の感化を受けたのか・・・
意外な娘の一面に安堵しているわたしがいる。


ブログを当分更新しないと言いながら
「親ばか」をしっかり披露してしまった・・・(−−〆)。