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舞鶴へ

車窓からくっきりと青空が広がる。
手を伸ばし、つまんで食べたくなるような
綿菓子ようのまっしろい雲。



のどかな田園風景がどこまでも続く。
赤トンボの舞う姿や、色づいた稲穂は
しっかりと秋の訪れを感じさせる。
景色が変わるたびに車内の温度がひんやりするのもおもしろい。



ヨーロッパの田園風景をも彷彿させるひなびた景色に
子どものように見とれてしまった。
こんなまったりとした電車の旅もいいなぁ・・・
目のごちそうをたっぷり味わった。


シニア・ナビのサークル「歩こう会」でのオフ会である。
歩こう会は、いつもはリュックを背負い、近くの山々を
軽くハイキングするなど、ウォークが主のサークルだが
今回は残暑のさなか歩くのはきつい、ということで
この企画が練られた。


わたしは、このところオフ会づいている。
このあいだ横浜で熱いオフ会に参加したばかりで
まだ思い出もくっきりのなかでのそれである。


けれど「青春18切符」を使ってオフ会は初めてだ。
18切符を使って電車に乗りたいとずっと思っていた。
ようやく念願叶ったという感じである。


総勢6人の仲間は、気心も知れている。
最近仲間入りされたRさんも、すっかり古株に成長し(笑)
メンバー以上に活躍されている、
今回はリーダー役のようである。


GさんやNさんを始め女性陣は、いつものようにかしましい。
言いたい放題、喋りたい放題の車中での
くつろぎは、さながら「動くリビング」のようである。
次々と変わる車窓は自然のパノラマである。
なんとぜいたくなリビングだろうか。



琵琶湖の雄大な地平線を眺めると、一気に日ごろのストレスが
癒される感がある。
もっともわたしなど、自由気ままな暮らしをしているせいで
ストレスなどないけれど。


自然はいいなぁ。


おしゃべりで息が切れそうになるころ、舞鶴に着いた。
岸壁の母』でお馴染みの港である。

水上勉の著作「飢餓海峡」の舞台にもなっている。
かつて殺人を犯し完全犯罪として闇に葬られ
世間から忘れられたころに、功名心から
寄付をしたことから、犯罪がばれてしまう。
舞鶴の地で成功しまたも完全犯罪をたくらむが・・
手に汗握る重厚な作品だ。

一度、こちらも訪れたいと思っていた。
駅に着くと油の匂いがぷ〜んと鼻をつく。
なんだか異国の地に来たようだ。


いかめしい北吸トンネルや、赤レンガの建物が目を引く。
1901年(明治34年)の舞鶴鎮守府開庁にあわせて
多くのレンガづくりの海軍倉庫が集中して建てられたものらしく
今も12棟ほどが残っているという。


明治時代にタイムスリップしたかのようなレトロで
ロマンティックな街並みは、風情がありほっとした感がある。


港の造船所や停泊している船にも哀愁がただよう。
どこまでも澄み切った紺碧の海と蒼い空。


あいにくと、わたしはカメラが使えず
しっかりまぶたに焼き付けてきた。


願わくば、もう一度訪れたいと思う。
列車の旅といい、この地といい印象深い。
このようなオフ会もいいなぁとあらためて
ご縁のありがたさを思うのである。
みなさま、お世話になりましたぁ。