過ぎたるは、及ばざるが如し

秋の長雨「秋雨で」ある。
霧のような細い雨が一日降り注ぎ、マンションの庭にようやく
咲きかけた「金木犀」が、散りはしないかと気を揉んでいる。
一気に秋らしさが増してきて、1週間ほど前に籐の敷物を収したばかりだというのに
ホットカーペットでも出したいほど、足先に冷たさを感じるようになった。




早寝早起きは、子どものころからの得意分野だ。
冬場になると半時ほどずれるけれど概ね4時か5時には起床しており
早く起きることは、苦にならない。
熱いお茶を淹れ仏壇に供え、じっくり味わう。
新聞に目を通し、時に絵を描くなどしている早朝の
ひとときも、至福の時間である。



軽いストレッチをすませると朝の散歩へと向かう。
眠りから覚めたばかりの草の匂い、川面に少しばかり揺らぐ白い水蒸気。
思いっきり伸びをし、たっぷり秋の空気を吸い込む。
鳥やコオロギなどの天然の音楽も、早朝ならではの風情がある。


朝が早い分、午後には軽い昼寝を決め込んでいる。
外で働いているときには得られなかった贅沢な時間だ。
ソファに寝ころび、好きな本を片手にうたた寝をする。
極上のひとときは、さすがにソファでは寒い。




暖房器具を出そうか迷いながら、不精なわたしは
「昼寝」だと言うのに布団を引っ張り出し、潜り込んだ。
マットレスに弱い電熱を入れると、人肌程度にホカホカと温い。
この感触もまたたまらないのだ、ああ〜極楽極楽。


昨日は、読んでいた本をほおり出し、ぐっすり寝込んでしまった。
目覚めるとあたりは真っ暗、時計をみると6時を5分ほど廻っている。
朝だと思い、「ひゃぁ我ながらよく寝たなぁ」
歩きに行かなくちゃと立ちあがると
普段着の服装とメイクを落としていない自分に気づき
「あれ?ゆうべはお風呂に入らなかったかしら?」
ようやく夕方の6時だということがわかった・・・
まったく昼寝のし過ぎはボケを早める。



カリフォルニア大学の心理学者サラ・メドニック助教授は、
『Take a nap! Change your life (昼寝であなたの人生がかわる)』
という著作のなかで昼寝の効用について

1・目覚めが良くなり、生産性があがる
2・ストレスホルモンのレベルが下がるため、ストレスの軽減につながる
3・ 昼寝によって脳みその使い過ぎから脳回路を保護する
4・記憶力が向上する
5・活動的になる
6・創作意欲を上昇させる

と述べている。


果たして効果のほどはどうなのだろう。
何事も過ぎたるは及ばざるが如し


冷たい秋の雨の日は、人も恋しい。
温かさも欲しい。
ああ、隣はなにをするひとぞ・・・