年末を故郷で過ごす民族大移動が始まる。
最近は長期の休みを利用して海外で新年を迎える人が
増えてはきているが実家への帰省組は、断然多い。
たまにしか会えない息子や息子たちを待ちわびる老父母にとって
年末年始は、晴れのセレモニーの感がある。
反面、迎える側としては嬉しさとともに何らかの負担もある。
いつの場合も嬉しさと楽しさは、苦痛も伴うものである。
過日の日経新聞の「なんでもランキング」のコラムに
実家に帰省 嫁・婿vs.義父母、それぞれの本音トップ10
があり、おもしろかったので紹介しよう。
義父母の本音はお土産もたいして欲しくもなく
「長い滞在は疲れる」「自宅に泊るよりどこかに一緒に旅行したい」とある。
わかるなぁ、迎える側も親として「嬉しい反面疲れる」のが
本当のところのようである。
片や帰省する側の息子や嫁としてはどうだろう。
いろいろ歓待してもらいありがたいと思う一方で、
ちょっぴり不満に感じることもあるようだ。
「何にもすることがない」「料理を食べきれない」など
贅沢でわがままな感があるが、わかるような気もする。
世代の嗜好もあり、ふだん別々に暮らす夫婦や
子どもたちが一同に介すると日常と違う世界があり
戸惑うこと、多しである。
自分の家と同じわけにはいかない。
窮屈さは否めないだろう。
小さい子どもたちには、大家族の中でのマナーや
従兄弟たちと遊んだり喧嘩したりの触れ合うチャンスでもあるし
年に一度の帰省は諸々閉塞している大人たちの
こころを解放でき、酒宴や団らんのなかで
気分転換にはなるかもしれない。
年々家族のきずなが薄れていくように感じられる昨今
年末年始を懐かしい故郷で過ごすことは、経済的、肉体的
対価に勝る大きな成長があるように思える。
ちなみにわが家は、娘家族、息子夫婦、
それぞれ車で数十分の距離に住んでいるから、泊ったりはしない。
おまけに正月の2日は、息子の家へ皆で押し掛け
可愛いお嫁さんのもてなしを受けている。
迎える側、訪問する側の本音、少しこころの片隅にでも
置いておくといいかも知れない。