先日、久しぶりにチビたちを風呂に入れてやった。
今春小学1年になったお兄ちゃんと幼稚園の年中組みになった
お姉ちゃんと一緒である。
ザバザバと泳ぐふりをする。
小さな湯船のなかで1歳のチビスケは、そのたびにたっぷり湯を浴びる。
それでもイヤがりもせずニコニコとふたりのあいだに入り、
負けじと手をばたつかせ、湯を返している。
少ない髪がくるりと巻き毛風で、うしろから見ると西洋人みたいだ。
上ふたりも赤ん坊のころ、色白だったけれどそれ以上に透き通っている。
このことをママに話すと
「そうなんよ!一番色白で目がぱっちり!」
それに比べて女の子の「かえで」のほうが、肌が少し色黒だ。
「逆やったら良かったんやけれど・・・」不満そうにこぼす。
あんたとお兄ちゃんだって同じようにお兄ちゃんのほうが色白だったよ。
「逆だったら」って思っていたけれどいつのまにか
あんたはハクチョウ?ように変わっていったっけ、な。
それぞれに性格には個性があっておもしろい。
すぐに友達のところへ遊びに行こうとする
昔のガキ大将のように活発で外遊びが大好きだ。
「あした、ようちえん、ある?」と幼稚園に行きたくて仕方がない。
ひとたび、何かで機嫌をそこね、チビが声を上げようものなら、
彼らがすっとんで来る。
おねえちゃんは、自分とそう違わない大柄なソウスケを抱っこしたり
絵本を読んでやったり、ソウスケの好きな音楽をかけてやったりする。
たまに張り合っておもちゃを取り上げたりもするが
「動くぬいぐるみ」の感覚でよく面倒をみる。
兄貴風を吹かし、6歳はすっかりお兄ちゃんが板についてきた。
頬ずりして、いかにも愛おしげである。
ふたりに揉まれたり、遊んでもらったりしながらニコニコと上機嫌だ。
ソウスケひとりをわが家で預かった。
いつもダンゴのようにくっついている3兄弟なのに
初めてのひとりお留守番である。
遊んでいたソウスケは、し~んとして静かな雰囲気に、
ようやく、お兄ちゃんたちがいないことに気がついた。
見渡せば、ママもいない!ということだろう。
大粒のなみだを玉のように落とし、あやしても抱っこしても泣きやまない。
ばぁばも3人の孫になると、チビが泣くぐらいで、もうオタオタしなくなった。
けれど、それでも弱った。
「こらっ、どうして泣く!泣きやまないか!」と
こわい言葉を浴びせながら、目じりを下げ
あの手この手であやすのだろう。
「ええい、最後の策だ!」とばかり、息子の子どものころのゆかたの帯を
引っ張り出し、短いけれど後ろで結び、おんぶした。
おんぶ紐を用意しておき、というのに頓着がない。
背中のソウスケは、お腹の括約筋が出たり引っ込んだりして
まだ大泣きしている。
赤ん坊の泣く力ってすごいのだなぁと、ヘンなところで感心した。
マンションの長い通路を行ったり来たり、歩く、歩く・・・。
散歩の必要がないぐらい歩いた。
何往復しただろうか、歩く振動が心地いいのかようやく眠ってくれた。
やれやれ、である。
おにいちゃんやおねえちゃんが傍にいるのといないのとでは大違い。
小さいながら兄弟の安心感ってあるのだと思った。
ぱぁ~っと華やかな表情になるチビスケ。
いま、ばぁばより、ママより、彼らの存在が一番のようである。