兄弟っていいな♪

 

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先日、久しぶりにチビたちを風呂に入れてやった。

今春小学1年になったお兄ちゃんと幼稚園の年中組みになった

お姉ちゃんと一緒である。

 

 ふたりは、相変わらずお風呂のなかでお湯をかけあったり

ザバザバと泳ぐふりをする。

小さな湯船のなかで1歳のチビスケは、そのたびにたっぷり湯を浴びる。

それでもイヤがりもせずニコニコとふたりのあいだに入り、

負けじと手をばたつかせ、湯を返している。

 

 チビスケは、真っ白い肌をしている。

少ない髪がくるりと巻き毛風で、うしろから見ると西洋人みたいだ。

上ふたりも赤ん坊のころ、色白だったけれどそれ以上に透き通っている。

 

このことをママに話すと

「そうなんよ!一番色白で目がぱっちり!」

それに比べて女の子の「かえで」のほうが、肌が少し色黒だ。

「逆やったら良かったんやけれど・・・」不満そうにこぼす。

 

 そんなことは心配ないよ。

あんたとお兄ちゃんだって同じようにお兄ちゃんのほうが色白だったよ。

「逆だったら」って思っていたけれどいつのまにか

あんたはハクチョウ?ように変わっていったっけ、な。

 

 同じ親から生まれても、顔つきや肌の色、そして

それぞれに性格には個性があっておもしろい。

 

 お兄ちゃんは学校から帰るとランドセルをほおり出して

すぐに友達のところへ遊びに行こうとする

昔のガキ大将のように活発で外遊びが大好きだ。

 

 真ん中の4歳も社交的でよくしゃべり、日曜日になると

「あした、ようちえん、ある?」と幼稚園に行きたくて仕方がない。

 

 二人は、一番下の弟「ソウスケ」が可愛くてならない。

ひとたび、何かで機嫌をそこね、チビが声を上げようものなら、

彼らがすっとんで来る。

おねえちゃんは、自分とそう違わない大柄なソウスケを抱っこしたり

絵本を読んでやったり、ソウスケの好きな音楽をかけてやったりする。

たまに張り合っておもちゃを取り上げたりもするが

「動くぬいぐるみ」の感覚でよく面倒をみる。

 

 「ソウスケ待ってろよ~、おにいちゃんが用事を済ませたら遊んでやるからなぁ」

兄貴風を吹かし、6歳はすっかりお兄ちゃんが板についてきた。

頬ずりして、いかにも愛おしげである。

ふたりに揉まれたり、遊んでもらったりしながらニコニコと上機嫌だ。

 

 春休みに、ママが上ふたりを連れて映画を観に行くことになり

ソウスケひとりをわが家で預かった。

いつもダンゴのようにくっついている3兄弟なのに

初めてのひとりお留守番である。

 

 最初、おねえちゃんのママゴトで機嫌よく

遊んでいたソウスケは、し~んとして静かな雰囲気に、

ようやく、お兄ちゃんたちがいないことに気がついた。

見渡せば、ママもいない!ということだろう。

 

 さぁ、それから泣く、泣く、泣く・・・。

大粒のなみだを玉のように落とし、あやしても抱っこしても泣きやまない。

ばぁばも3人の孫になると、チビが泣くぐらいで、もうオタオタしなくなった。

けれど、それでも弱った。

 

 孫育てをユーモアたっぷりに書いている佐藤愛子なら

「こらっ、どうして泣く!泣きやまないか!」と

こわい言葉を浴びせながら、目じりを下げ

あの手この手であやすのだろう。

 

 鼻水と涙でグショグショになりながら、泣き続けること1時間あまり。

「ええい、最後の策だ!」とばかり、息子の子どものころのゆかたの帯を

引っ張り出し、短いけれど後ろで結び、おんぶした。

 

 まったく娘の奴め、こういうときのために

おんぶ紐を用意しておき、というのに頓着がない。

背中のソウスケは、お腹の括約筋が出たり引っ込んだりして

まだ大泣きしている。

赤ん坊の泣く力ってすごいのだなぁと、ヘンなところで感心した。

 

 ヘトヘトになったばぁばは、背中のソウスケをおろし、抱っこして

マンションの長い通路を行ったり来たり、歩く、歩く・・・。

散歩の必要がないぐらい歩いた。

何往復しただろうか、歩く振動が心地いいのかようやく眠ってくれた。

やれやれ、である。

 

 いつも機嫌がいいのに、こんなに泣き通しなのは初めてである。

おにいちゃんやおねえちゃんが傍にいるのといないのとでは大違い。

小さいながら兄弟の安心感ってあるのだと思った。

 

 学校や幼稚園からお兄ちゃんたちが帰ってくると

ぱぁ~っと華やかな表情になるチビスケ。

いま、ばぁばより、ママより、彼らの存在が一番のようである。