あなたは部長(二流)クラス? それとも・・

 

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わざわざ買って読みたいとも思わないが

新聞広告のおもしろさに膝を打ったので記してみたい。

(目にした方もおられるでしょうが)

 

書名は「仕事の哲学」で、著者は安田正。

キャッチコピーは「一流役員が実践している仕事の哲学」である。

 

この本では、一流は役員、二流は部長、三流は平社員を指す。

人間の行動を簡潔に分析しているのが愉快だ。

 

   

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メールの返信

平社員は、5分考えた挙句、後回し

部長は、空いた時間にまとめて返す

役員は、3分以内に返信する

 

お店。

平社員は、食べログで話題のお店

部長は、ミシュラン掲載のお店

役員は、行きつけの5軒から選ぶ

 

出社時間。

平社員は、始業5分前

部長は、15分前

役員は、遅くとも1時間前には来ている

 

お礼。

平社員は、90%がメールすらしない

部長は、80%の人がお礼すら言わない

役員は、100%朝7時にお礼メールをする

 

気配り。

平社員は、コップが空になってから注ぐ

部長は、半分くらいになったら注ぐ

役員は、相手に合わせたタイミングで注ぐ

 

お酒。

平社員は、好きなものを飲む

部長は、ワインのうんちくを語る

役員は、最終的に焼酎に行きつく

 

足元。

平社員は、カカトを潰しても気にしない

部長は、靴ベラを使ってさっと履く

役員は、必ずひもを結び直して履く

 

おみやげ。

平社員は、道すがら買う

部長は、有名ブランドの銘菓

役員は、包装紙で決める

 

体調管理。

三流は、体調不良で休む

二流は、体調不良でも休まない

一流は、健康オタクである

 

疲労回復。

三流は、シャワーを浴びるだけ

二流は、しっかりと湯船につかる

一流は、朝風呂をあびる

 

学問。

三流は、「体育が得意でした」と言う

二流は、「数学が得意でした」と言う

一流は、「国語が得意でした」と言う

 

 学習。

三流は、TOIC 700点をめざす

二流は、ビジネス英会話に通う

一流は、あえて勉強しない

 

家庭.

三流は、尻に敷かれまくっている

二流は、亭主関白

一流は、あえて尻に敷かれている

 

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出世を望む、望まないに関係なく、

仕事のなかでの人間模様や行動原理を示すこれらの項目は

ひとの生き方にも通じるように思える。

 

気配りが細やかであり、仕事を愛し、

効率的にこなす点で物事に優先順位をつけている。

 

できること、できないこと、やるべきこと、

やらないことをはっきりさせている点も共通している。

 

特筆すべきは、学問のコーナーで

一流は「国語が得意でした」とある個所だ。

仕事ができる人間は、数学ではなく、国語から始まるのか・・・

何となく納得がいくような気もする。

 

確かに人間社会で一番大切なことは、コミュニケーション(相互理解)である。

個人としてどんなに優秀な頭脳の持ち主であっても、

夫婦・親子・兄弟から始まるすべての人間関係で、

他者との相互理解を順調に計る能力が無ければ社会生活は成り立たない。

その相互理解に求められるのは、先ずは国語力なのである。

 

そこで思い出す逸話がある。

100年間にわたり解けなかった「ポアンカレ予想」(仏の数学者アンリ・

ポアンカレが提出)を2003年に証明した、ユダヤ系ロシア人数学者、

G..ペレルマン(1966年生)のことだ。

 

彼は、証明の功績により「数学界のノーベル賞」と言われている

フィールズ賞を受賞したが、「自分の証明が正しければ賞は必要ない」

として受賞を辞退した。

更に、ミレニアム賞(副賞として100万ドル)授賞も辞退している。

 

名だたる欧米の大学の教授招聘をも断り、故郷で貯金と

母親の年金で細々と母親と共に生活していると聞く。

趣味はキノコ狩りとされ、人付き合いを嫌い、

ほとんど人前に姿を見せない人物。

社会生活の必要がない彼には、国語の能力は不要なのかもしれない。

 

閑話休題。

さて、あなたは書籍「仕事の哲学」の広告文をどう感じました?