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おかしくないか?

社会事象

 

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昨日、昼食を摂りながらワイドショーに耳を傾けていると、

 うん?と首をかしげる場面に遭った。

 いつものことながらその種のネタは、軽佻浮薄でさほどの信憑性も伺えない。

 時の政権に阿る偏った報道の感があり、

 こちらもいい加減な気持ちで聞き流すだけだが。

 

 関口某(関口宏の子息であるらしい)が、週に一度ルポを

 して番組のコーナーを賑わしている。

 彼は、誠実にみえる父親の人柄に似て、気取ったところがない。

 誰からも好かれる要素を持っているようにも感じる。

 

 その彼のルポは、東京の山谷という、

 大阪で言えばあいりん地区(釜崎)のような

 土地柄に住み、身寄りのない末期症状の病人の姿を映していた。

 「希望のいえ」と称されるその施設は例によってNPOが運営している。

 経費はどうなっているのだろう、よけいな詮索をしてしまう。

 

 その施設に世話になっているという80代の男性は寝たきり状態だが

 話しはできるようで、つきっ切りで面倒をみてくれるヘルパーさんに

 有り難いと、しきりに感謝の弁を述べていた。

 

 2年前から入居しているという60歳の男性も、どのような病を

 得ているのか不明だが、若干、口の周りがもどかしそうである。

 

 定期的にやってくる散髪屋さんに髪を切ってもらい

 髭も剃ってもらうと病人らしさが抜け元気そうに見えた。

 しかし彼は散髪が終わっても礼も言わず、当り前のような顔を

 しており何となく、不遜な感じを持った。

 

 「今度生まれ変わったらどうしたいですか?」

 関口某が、阿るような口調でインタビューを続ける。

 身寄りがなく、住む処もない入居者に対して憐憫の情を

 もっているかのようだ。

 

すると60歳の男性は、堂々と誇らしげに語る。

 「わたしは以前、暴走族のリーダーをやっていたんですよ!」

 「また同じことをするでしょう~~」

 うわぁ~!

 関口某は、その頃の写真を見て感心したり、持ちあげたりしている。

 

 いったい何のためのルポなのか・・・。

 みていて気分が悪くなるほどである。

 放送局に「どのような意図でこのような番組を流すのか!」と

 怒りの電話をしたいぐらいだった。

 

しようもないワイドショーなど見なければ

 腹も立たなくて済むのだが、つい昼食のときは見てしまう。

 

 アベノミクスの景気浮揚策で、大企業や一部の投資家が大もうけをし

 笑いが止まらない現状に対比させたルポのようである。

 確かに大企業や富裕層など株価の連動によって

 一喜一憂ならぬ多喜大笑しながら予期しなかった利に浴している。

 

 しかし現実には、アベノミクスは財政の出動だけでいまだ

絵に描いた餅にすぎない。

 電気やガス代が円安下の輸入燃料費増大ゆえに当たり前のように上がり、

 しっかりそのツケは国民に戻ってくる。

 目標値2%のインフレ策など恐ろしくて見ておれない。

 先ずは、なにがなんでも消費税を8%にするための

 実績値を構築せねばならない政府の、巧妙な策なのだろうと思える。

 

 過去20年余の預金金利は、無いに等しい。

 かつては退職金を定期預金すれば5 - 10% の金利があり、

 それで晩酌や、ささやかながら夫婦での小旅行も出来たと聞く。

 それがリーマン・ショックの際に政府は巨額資金を

 銀行救済に投下する一方で、低金利政策を導入して

 預金金利が零ゼロに等しくなってしまった。

 これなんぞは、退職者や年寄り殺し政策にほかならない。

 行くところがなくなった老齢者は、病院やクリニックに友を

 求めて出かけ、はたまた、せっせと介護保険を費やす。

 

 関口のルポに話を戻す。

 

この番組の目的は、アベノミクスの恩恵を受ける人々の陰に

 日々の生活に苦しむ実相をとりあげて、大衆の同情を喚起し、

 安物のヒューマニズムを演出しているように見える。

 TV局には、未だにこんな古典的で幼稚な番組しか制作する脳しかないのか。

 

 この世の中には、毎日を地道に一生懸命働いて己の勤めを果たし、

 職場や家庭を維持し、少ない給与や年金であれこれ工夫しながら

 暮らしている人々が大半である。

 こうした人々が今日の日本を形成しているのだ。

 

 若い世代もひところに比べ、給与も伸びず家族を養うのに必死である。

 派遣やアルバイトなどの非正規雇用が横行している今の世で

 「普通」の暮らしをしていくのは並大抵ではない。

 

 こうした厳しい生活をおくる普通人にお涙ちょうだいのルポは、

ふさわしくない。

 こんな呑気な番組を制作し放映しているTV局は、早々に退出してもらいたい。

 

冒頭のルポの施設で終末期を迎える入居者には、

 正直言って、同情はできない。

 

 上澄みだけを拾い上げて、仕事をしているようなふりを

 している関口某も、もっと勉強してもらいたい。

 もっとも彼は単なる役者で、渡された脚本に沿って雇用主である

 番組制作者の指示通り演じているのだろうけれど・・・。