子どもたちの靴が無造作に転がっている。
珍しいなぁ・・・
中に入ると娘はキッチンで洗いものをしている。
静かだ。
「あらっ、チビたちは?」と、訊くと
「その辺で遊んでるかも。ソウスケは寝てる」
「カエデは?」
「ジュンと一緒!」
どおりで静かなはずだ。
やれやれ、チビたちがいないと手持ち無沙汰だ。
帽子やジャケットを脱いでいると、娘がニヤニヤしている。
「なに?パンツがピチピチしてるって?」
最近、流行りの細身のパンツを年甲斐もなく穿いているわたしは
たまに揶揄されるから先回りしていう。
「そんなこと、な~んも言うてへん!」
言いながら、まだ二ヤついている。
何がおかしぃん?・・・
テーブルにあるみかんを剥いてひと息入れようとしていると
突然、「ワァァ~~!!」と大きな声を出して
潤平がソファの下から這い出てきた。
かくれんぼをして、ばぁばを驚かそうとしていたようだ。
「あれ?いたんかいな!」びっくりしていると
同じように4歳のかえでも椅子の下から這い出ようとするが
うまく出られない。
からだが捻じれているようである。
「そんなとこに無理に隠れるからよ!」
ママに怒られ、大泣きしながら無事這い出てきた。
リビングでの騒ぎに、隣の部屋で寝ていたチビスケも
目を覚ましたようで泣いている。
ハイハイして出てきた、末の赤ん坊を抱っこし
リビングは蛙の合唱ならぬ、子どもたちの大泣き大会である。
子どもが3人、というのは賑やかだ。
2人しか育てていないばぁばからすると
3人の子育ては、やっぱり大変そうだ。
ぜんぜん違う。
洗濯ものの量、離乳食を始めとする
チビたちのかわいいカップや食器の類。
ようまぁ、これだけ色々揃えるもんだわ・・・。
食器棚に入りきらない。
洗濯も、キッチンの洗いものも追いつかない。
リビングは「遊びの部屋」から持ち出してくる
彼らの絵本やおもちゃ類で散らかっている。
ママが「子どもの部屋で遊びなさ~い」と言っても
みんなが集うリビングがいいようである。
今年小学校に入った潤平の机も
騒がしいリビングの一角に置いてある。
広くはない一家が暮らす部屋に、いずれプライベートな空間を
作る必要に迫られるだろうが、まだ個室は早い。
かえでも同じようにリビングに丸い小さいテーブルに
椅子を置き、お絵かきなどをしている。
傍で最近ヨチヨチ歩き始めたたソウスケが
同じようにペンを持って落書きをする。
料理好きなママが、キッチンで奮闘するあいだ
ばぁばは、3人のチビたちと遊んでもらう(?)
ババ抜きのトランプに、よだれを垂らしたチビスケも
同じようにカードを持たされてカードを舐めまわしている。
娘宅で夕餉をにぎやかに囲み、チビたちを風呂に入れ
ばぁばは、わが家へと帰る。
「ばぁばと一緒に寝た~い、泊りに行くぅ」
こうして惜しんでくれるのはいつまでか。
のんびりした連休の一日である。
しっかり食べて、寝て大きく育つんだぞ!
おとっつあんは、連休も仕事だ。
それでも暇をみては、チビたちを
おにぎり持参で公園などで遊ばせている。
平凡で質素な日常が繰り返される。
子どもたちが安心して暮らせる日本を構築してよネ。
何かと不評な安部政権にも、願わずにはおれない。