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お爺さんと犬

健康・医療

 

 

 

80歳前後とおぼしき老齢の男性と犬との

散歩に、毎日出会う。

 

季節によって時間が、ずれて会わないこともあるが

概ね、似たような時間帯に双方は、歩いている。

お爺さんもワンちゃんも早起きのようである。

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 絵は、山田みち子先生のをお借りしました。

 

 

夏に向かう今の時期、朝5時に家を出て、

6時過ぎには、わが家へ到着のコースが続いている。

 

今朝も散歩の帰り道に、いつもの川べりで

引っ張られるように小走りしているお爺さんと犬に会った。

お爺さんは腰も曲がり、いかにも歩きにくそうである。

引っ張っているワンちゃんは若いのか

やんちゃなのか、ご主人さまの年齢など関係なく

好きなところへと誘っている。

ご主人と犬との関係が明らかに犬主導だ。

 

先日、川の増水の恐ろしい水音を聞くだけで

身震いがしていたけれど、その横をすれすれに

ひとりと一匹は歩いている。

「落ちなければいいが・・」と他の

散歩人と顔を見合わせ心配したものである。

 

今朝もこうして元気で歩いている処をみると

落ちなかったようである。

達者なひとだ。

 

たまに近くで会うので立ち話などをすると

やはり80歳はとうに越しているということで

行きつけの整形外科医からは、ワンちゃんとの散歩は死ぬまで

止めたらダメだと言われた!と笑いながら話してくれる。

なるほど、お爺さんが寝たきりにならないコツを

ワンちゃんが担っているというわけだ。

そのお爺さんと犬のコンビに今朝、異変が起きた。

「今日も元気よく川べりを歩いているなぁ」と

橋の欄干から目を細めていると、なんということか!

 

走っている犬に引っ張られてお爺さん

川の石をまたいで、向こう岸に着こうとしたのはいいが・・・。

バランスを崩したのか、あっという間に

川面に落ちていくのが、わかった。

ぱた~っと体を大の字に広げ川に突っ込んだ。

「ひゃぁ、えらいこっちゃ!どうしよう・・」と

思う間もなく、バタバタと手足を広げ流されかけた。

 

幸いにも水深は、底が見えるほど浅く

お爺さんは起き上がると、全身ずぶぬれの体を

叩きながら元の場所へ移動している。

 

ワンちゃんは、さすがに心配そうに寄り添い

じっとお爺さんの顔を見上げて神妙にしているように見える。

何やら、お爺さんが犬に怒っているようだ。

たぶん、「こんなところに引っ張っていくな!」ぐらい

言ったのではないだろうか。

 

一瞬のことで驚いた。

毎日、ひとりと一匹は川べりの草むらや堤を走ったりしているが

今回のように川に落ちたのを見たのは初めてだ。

しばらく様子をみていたけれど

ビジョ濡れの服を乾かすように叩きながら

帰って行ったから怪我はなかったのだろう。

 

ワンちゃんの散歩で命の増役をいただいているお爺さん。

散歩も命がけである。

ご家族もさぞや気を揉んでいるに違いない。

どうか無理なく、危険のないところを歩いてね、と

他人事ながら息災を願っているわたしである。