まったく、何でもはっきりモノを言う奴らだ。
エンリョというものを知らない。
5歳や7歳で「自己主張」するのだ。
ときに、ムムム・・・と反撃したくなるのだが。
すったもんだのバレーボールを辞めたあと、娘は
さっさと次なるチームに入り、練習に行くことになった。
「孫守り」が再開され、久しぶりに孫3人の「御一行様」が、やってきた。
「ついでにご飯も食べさせてやって~~」と、甘えたことを言うので
(ま、甘いばぁばもこちらから提言)夕食を、作って待った。
あり合わせしかない。
「鶏のから揚げ」が好きだから、それに決めた。
付け合わせに「パスタと玉子のマヨネーズサラダ」
めったにマヨネーズを使わないが、たまにはいいか。
お好み焼きなどをするときに使うから置いている。
パスタサラダには薄くスライスしたセロリとリンゴが入っている。
ばぁばの好きな取り合わせである。
残り物の「ほうれん草のおひたし」と「大根の味噌汁」だ。
質素だがチビたちには充分だろう。
大人の男が居るわけでなし。
2歳になるチビスケは、パスタのサラダを見て「めん!めん!」大喜び。
麺類が好きなようだ。
でもうどんではないから、どうだろう?
器用にフォークを繰り、から揚げの小さく切ったのと一緒に口に運んでいた。
この子はいつも黙ってモグモグとおいしそうに食べる。
ほんとうにいい子だ。
上ふたりは、というと・・・
「パスタのサラダは、嫌い~~」
「お味噌汁はママのが、おいしい~~」
そしてママが加勢する。
「そりゃぁそうよ。こんな小さい子にセロリなんて酷よ~」
「わたしも小さいころ、お父さんによく強制されたわぁ」
「それにハムが入ってないと子どもは食べないわよ~」
最近のハムなど何が入っているか、わかったもんじゃない。
ばぁばは、カッコつけるわけではないが、生ハム以外は買わないようしている。
歳を喰うと量より質なのだ。
その生ハムを切らしていた。
サラダに入れるのは、どちらにしても、もったいない。
そんなに文句ばっかり言うのだったら、夕食は作ってやらないぞ。
内心、へそを曲げかけていると
「でも、から揚げは、ばぁばのがずっとずっとおいしい~」
「うん、ほんまにおいしい~」
7歳と5歳が付け足すのを忘れない。
まったく、世渡り上手な二人だ。
ママが出かけたあと、7歳はわが家に来るとゲームに熱中する。
家では時間管理されているから、嬉しいのだろう。
5歳のかえでに、パソコンのなかの「本人の絵」をみせた。
ばぁば:「どう思う?かえでちゃんよ~」
かえで:「目がこわぁい!」
確かに、ぷいと膨れて反骨精神旺盛なときの目だ。
ちょっときつい顔になっている。
かえで:「かえでちゃんに似てなぁい~」
「でも赤いセーターのボタンのところは好き」
なるほど・・・
ばぁばも襟元のボタンやロゴのところは、リアルに描いた。
ふ~ん。
小さいながら、好きなところや嫌いなところは感じるのか。
おしゃれ心もあるようだ。
しかし、なかなか手厳しい。
そういえば、3歳ごろに描いた彼女の絵も不評だった。
「かっちゃん、そんなにブサイクじゃないもん!」
やれやれ・・・
どういうわけか彼女の絵はいつも「拗ねている顔」が多い。
にっこり笑っている表情の写真がないのだ。
たまにカメラを向けると、わざとおどけてヘンなポーズと
表情をするし・・・。
最後に、最近描いた「ソウスケを抱っこしている絵」を見せた。
即、却下!
「ぜ~んぜん、似てな~い!、可愛くない~」だと。
「絵のなかの小さい絵の方は似てるぅ」だって。
的を射ているようだが、さんざんな酷評のされ方だ。
正直でよろしい。
まったく、きょうびのチビは、よく言ってくれるよ。
でも、あれは嫌い、これは好きと
食べものの好き嫌いは早く直してよ。
わかりましたか!