あの世の話し

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作家の佐藤愛子30年ほど前に北海道の

浦河町と言うところに家を建てた。

そのときから思いもかけない方向に向かうことになったと言う。

何が・・・?

その家で超常現象と言われる怪奇な現象が起きて、以来

東京の家に戻っても、旅先のホテルなどでも度々悩まされることになり

そのため死後の世界、心霊についてイヤでも学ばなくてはならなくなったと

エッセイなどで触れている。

 

 この不思議な現象は「あの世からのサインである」ことを教わったのが

三輪明宏さんであり、そのことを記した本を読み、現れたのが小児科医の

ある先生で、またそのことがご縁で、かの心霊カウンセラーと称する

江原啓之さんと出会い、数々の超常現象を経験するなか問題の終結に

向かったのだという。

その解決に要した時間は25年!

 

 佐藤愛子の小説「血脈」のなかで佐藤家の人々をつぶさに描いた作品がある。

サトウハチローや他の兄のことも含め、父の佐藤紅緑のことも

赤裸々に暴露?していて読むだけでも大変なエネルギーが要るほどだ。

 

あの世で「サトウハチロー」が怒っているかも知れないと

三輪明宏さんに話すと、ハチローは「負けた・・・」と言って妹の大成を喜び

成仏していったということも安心のなかに含まれる。

 

 心霊現象、死後の世界・・・

信じるか信じないかは別にして、わたしは死後の魂などに非常に関心があった。

死後の世界と言うのは誰も経験していない。

いったいどうなっているのか知りたくて、夫亡きあと

それらに関連するを多く読んでいた。

 

 江原さんに対しては最初、若いのに胡散臭いひと、というイメージが

拭えなかったが、佐藤愛子との対談などを読み進めるうちに

「ちゃんとしたひと」なのだということがわかり、少し彼の見方が変って来た。

言っていることが信じられるという程度に・・・。

 

 彼は4歳ごろから近所の火事を予知したり、肉親の死を予言したりしていて

変り者で通っていたそうで母上もずいぶん悩み、御苦労されたらしい。

 

 その江原さんと佐藤愛子の対談「あの世の話」には、なるほど!と

思うことが幾つも出てくる。

 

興味深い話しのなかのひとつに・・・

死んでから生まれ変わるのを仏教では「輪廻」と言い、心霊では

「再生」というらしいのだが、今まで思っていたことと少し違っていた。

 

 わたしは、夫が、わりに純粋な人だったので(心がきれいという意味で)

子どもや穢れの少ない人は早く輪廻すると知り、当然、

もう生まれ変わって気持ちよく別な人生を歩んでいるかも・・

などと思っていた。

 

しかし、江原さんの話しに依ると再生するというのはそう簡単なものではなく、

「あの世が現実の世界」で、この世に生まれるということは、当人にとっては

とても辛いことで、わんわん泣いて別れを告げるというのだ。

 

 逆に死んであの世に行くと「よく帰って来た!」と、たいそう喜ばれる。

あの世とやらも地獄界や幽界といった階層があり、生前の思想や行いによって

いく場所が違うのだともいう。

だから、「死する」ということは、「いまどう生きるか」に

大きく関わっているのだそうな。

うまく表現できないけれど、要するにつながっているということらしい。

穏やかに平穏な心持で暮らして生を終えると

そのままの穏やかな世界に行き、猜疑心などを持ち苦しみながら逝くと

いつまでも魂がこの世に浮遊してあの世とやらに行けないのだそうである。

 

 佐藤愛子の著書から、科学では割り切れない神霊の

世界に触れると「あり得るなぁ・・・」という気がして

信じる気持ちが深くなった。

 

この世に悔いを残さないためにも、真摯に一生懸命生きようと思うのである。

どう生きるか・・・

命題である。