「ソウスケ、みんなを鉄砲で撃つ真似をしては、あ~はっはっは~と笑うねん!」
ママが言った。
へえ、おもしろそう!などと話しているといきなり実演を始めた。
ママに指の鉄砲を向け「ママぁ、ば~ん!」
ママ:「やられたぁ~」と、ドタッと倒れる。
ばぁばに向け「ばぁばぁ、ば~ん!」
ばぁば:「やられたぁ~」同じく倒れる振りをする・・
こんな調子でお兄や、ねえねも、ば~んとやられた振りをしては倒れる。
その様を見てソウスケ、「あ~っはっはははぁ~~」
悪徳代官よろしく、のけぞって大笑する。
その笑い方が演技のような、心底笑っているのかわからない
ややこしい笑いだ。
どこで仕入れてきたのか知らないが
そのしぐさがおもしろくて、やられたみんなが同じように大笑いする。
すると、また指で作った鉄砲で、ば~んとやる・・・
指された者が倒れる・・・
あっはっはっはぁ~とまた高笑い。
こんなことがエンドレステープのように繰り返され、倒れるほうも
いい加減、飽きてくる。
かと思うと、7歳の潤平とボール投げをしているとき
彼は、けっこうきつい早い球を投げてくる。
「お手柔らかに~~」と言うと、今度はヘナヘナした球を投げてよこす。
ボールは、コロコロとリビングの隅に転がる。
待ってました!とばかり、2歳が喜んでボールを拾いに行く。
それをばぁばに得意げに「ばぁばぁ、どーぞ!」と渡してくれる。
ばぁば:「ありがとう~~」
ソウスケ:「いいえぇ~~~」
ばぁばが7歳にボールを投げ返す。
7歳は、またややこしい投げ方をしてきて、2歳が拾う。
どうぞぉ~、ありがとぉ~、いいえぇ~~と
ボール投げひとつに、いつの間にか2歳が主役になっており
7歳とばぁばと2歳のトライアングルのボール投げはいつまで
経っても終わらない。
生意気に、なんでもいっぱしにやってみたい年頃だ。
しかし、エンドレスはけっこうくたびれるのですけどぉ~。
小さな子がいる家庭は、毎日がマンガのようにおもしろい。
それにしても、あの高笑い・・・
ドウにいっているなぁ。
チビたち3人が、昨日からわが家に泊まりに来ている。
2歳は初めてである。
夜中にママを探さないかと心配したが、みな、運動会のように
ふとんを駆け巡り、ばぁばは、隅っこで小さくなって寝た。
すっかり睡眠不足である。
いまギャングたちは就寝中。
起きてくるまでの平和な時間・・・