かぼちゃ

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娘のところに行くと、台所に立派なかぼちゃが、転がっている。

色といい、形と言い、申し分のないかぼちゃである。

おいしそうだ。

半分欲しいなあと思ったが最近、娘んちの子どもたちもよく食べる。

かぼちゃ1個なんて、煮物大好きな彼らの家庭ではすぐになくなるから

言うのを、我慢した。

 

しげしげと眺め、触っていると

「あ、それ、あゆみちゃんに、もらってん!」

あゆみちゃんは、娘の夫の兄の、妻である。

義姉になるけれど歳は、ふたつしか違わない。

夫の義父母と一緒に暮らしている。

「やっぱりチョウナンのヨメって大変よね、わたしには無理やわぁ」

娘がいう。

確かにそうだ、あんたみたいな気まま、わがままには、同居や

長男の嫁の稼業は務まらないよと、わたしも同意見だ。

 

そのあゆみちゃんの実家の母親から、毎年季節の新鮮野菜が

どっさり、夫の実家に送られてきて

義母は、せっせと、近所や親せきなどにお裾わけしているようだ。

以前、わが家にも回ってきたことがあるが、最近は、ない^^

 

まぁ、そんなことはどうでもいいのだが、採りたてかぼちゃが

口に入る背景に、義父母や、義理の兄妹との人間関係が恒間見える。

 

娘の義母は無類の世話好きで社交上手。

親戚縁者を招いては家で会食し、娘たち家族もたびたび、駆り出される。

むろん、飲食にかかる費用はみんなで負担する。

バカにならない金額だと、少ない家計を握る娘は内心、辛さがある。

 

義父母からみる孫は、合計7人いて

同居の長男夫婦に男児が2人、次男である娘夫婦に男児と女児で3人

そして近くに住まいする末っ子の娘夫婦に女児2人と言う具合だ。

 

ソウスケを除いては、6人がそれぞれ、同じ学年になり、同年齢である。

子どもが同じ年齢だというのは、比較されやすいものだ。

当然、同居している長男夫婦の孫に軍パイがあがる。

何かにつけ、差別されるので娘夫婦は、おもしろくない。

よく傷ついて帰宅している。

なるべく実家とは距離を置こう・・・

婿殿も内心穏やかではないので、頻繁に行かないようにしている。

 

かといって、義理の兄妹たちと仲が良くないかというと

そうではなく、しょっちゅう、三家族で子どもを引き連れ、

映画を観に行ったり、テーマパークへ遊びに行ったり、

お互いの家を生き来したりしている。

義兄が地区のバレーボールの監督をしていて義姉のあゆみちゃんも

一緒に愉しむスポーツ一家で、娘も最近そのチームの世話になっている。

 

あんまりくっつき過ぎると、お互いのアラが見えてしんどくなるから

ほどほどの距離を保つように、老婆心で娘にささやく。

 

義理の兄妹のつきあいで一番心を砕くのは、やはり長男の嫁ではないだろうか。

若いのにしっかりしている。

ようやっているなぁと、娘に聞いた範囲でわたしも感心している。

娘が3番目の子、ソウスケを出産したとき、上ふたりが幼稚園に

通っており、そのお弁当を作って届けてくれたり、

料理も上手で、作ったものをタッパーに入れ、持たせてくれる。

 

さっぱりした性格だから義父母にも可愛がられ傍目には

申し分のない同居のように見える。

微笑ましいがでも内実は、わからない。

あゆみちゃんは、ひょっとして、自分の実家で泣いているかも知れないし

持って生まれた天性で大らかに受容しているかも知れない。

 

よく出来た嫁姑であっても、絵に描いたようにはならないのが現実で

 良くも悪くも、表層的なことだけで判断しないのが、歳の功というものだと

歳を喰ったわたしは冷徹に見る^^

 

かぼちゃを描きながら、娘たち家族やそれに関わるひとたちを、思った。

賢い人間関係を築いているなぁと。