地名は先祖の警告?

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地名はその土地の地形や、特産物、生息する動植物、幕府や藩の行政機関、

神社や城といった建物、住んでいた人々の職業身分、および出来事などに

由来していることが一般的だという。

その土地の地理歴史が集約されている。

 

たとえば・・・

大阪市の大阪駅前は「梅田」という地名がある。

これは埋め立て地のウメ。

人工・・ではなく地滑りで埋まってしまった場所。

地滑りではないけれど元々は湿地帯だった場所を埋め立てたとも言われる。

その後、田畑として利用されていたが、明治7年に東海道線の大阪駅が開業し

その後、私鉄も隣接して梅田駅を建設し、大発展した。

他県から訪れるひとは、大阪駅と梅田駅?

いったいどちらが、どうなのかと疑問に思うだろう。

わたしも、はっきり知らなかったのだが

大阪駅がある場所は「梅田」という地名であり、場所なのだそうだ。

当たり前だと言われればそうなのだが、ちょっとややこしさを感じていた。

 

地名の由来など調べてみると、やっぱり、かと思うことにも遭遇する。

先日、大雨で大災害に遭った広島はたくさんの方が犠牲になっている。

大切な命や、家屋や、思い出が土砂とともに流され

他人事ではない災害にいっそう、胸が痛む。

 

日本は地理的にそのような災害に見舞われることを覚悟しないといけないのか。

心からお悔やみと、お見舞いを申し上たい。

しかし・・・

いったい、どうしてこれほどまで、と被害の甚大さをいぶかしむ。

いま、まだ終息にはほど遠い。

 

 災害に遭った広島の場所を調べてみると・・・

「  八岐蛇落地悪谷(やぎじゃらくぢあしだに) 」という、元来の地名があり

その地名は、「八木上楽地芦谷」に、近年変更されている。

 そして現在は、「八木」 という名に変わっているようだ。

 

八岐とは・・・

山間の狭い谷あいを意味し、落石が多発的に起る場所を示す。

蛇は、土砂の流出や堆積をあらわし大水の流れや土石流が流れる様子を、

蛇がのたうち回ると表現し、また竜という地名もほぼ同様だという。

谷はふつう低地を表し、悪は災害の多発を示唆する、というのだ。

 

地名に意味のある名を冠していたことは、先人の智慧と思われるが

行政などが勝手に現代的な地名に変えていたことに責任はないのだろうか。

おどろおどろした、難しい地名より、簡単な優しい住所のほうが

確かにわかりやすいし、親しみが持てる。

 

一方で、勝手な思い込みだけれど、開発業者などは、その地がどのような

地質であったかは、十分リサーチ済みだっただろう。

安値で叩き、通常の価格で販売したのではないかという勘ぐりも拭えない。

知らないで、その地に住んだ人こそ、大迷惑で命の存続にも関わる重大事だ。

 

いづれにせよ旧地名は災害を警告していたと言える。

先祖伝来の地名が残っていたならば、住宅地になったこの地には

住まなかった人もいた筈でそのような意味でも、地名の持つ意味は大きい。