言いえて妙なる民族性。

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先週は昨年に続いて日本人のお二人の研究者・学者がノーベル賞の栄誉に浴し、まことに嬉しいかぎりです。

 

それにしても授与基準が市井の家庭人にとってよく分からない、ノーベル賞『平和賞』(ノルウェー政府が授与)がある。これは首相を務めた佐藤栄作氏も1974年に受賞している。

ウイキペディアで過去の受賞者を眺めていると第二次世界大戦終了までの受賞者とその受賞事由にはそれなりに理解できるが、それ以降の受賞者には流行の先端を取り上げて世間におもねるように感ぜられることが、しばしばある。

 

1993年ノーベル賞『平和賞』にはパレスチナ和平を取り交わした事由で、イスラエルのラビン首相とペレス外相、ならびにパレスチナアラファト議長の3人が授与されているが、それ以後もパレスチナには和平はなく、今日も戦闘が続いている。何の為の『平和賞』か、といぶかる。

これを友人に語ると、『何を言ってるの?イスラエルパレスチナ両国の紛争はそれが生業なので、永遠に終わることはないよ』とのご宣託。どうやら私の常識を超えるものがそこにはあるようだ。

 

そういえば、先日読んだものの本には、欧州の民族の性向も実にユニークに描いていた。

『フランス人が働き始め、イタリア人が時間を守り始め、ギリシャ人が借金を返し始めたら、この世は終わりだ』

『日本人とアメリカ人が、ドイツ人までもが怠け始め、時間を守らず、借金を踏み倒し始めたら、この世は終わりだ』

 

十余年前にあったリーマン・ショックは米国では100年に1度の経済恐慌であり、無理やりに貸し込んだ借金を踏み倒す者が多く現れたが、世は終わりには至らなかったが。

 

尤も先週は、エア・フランス航空の会社側が他社に比較してあまりにも就労時間が短いパイロットの労働時間の延長を求めたところパイロット組合はストを起こしたが、最終的には渋々会社側要求を受け入れたことがフランスのビッグニュースであった。しかし受け入れた労働時間は未だにルフトハンザ航空以下であり、スペイン・イベリア航空の半分位で、本当に働かない。(給与や待遇は何れの社もほぼ同じ)

 

そういえば私が十余年前にギリシャを旅行した際にパルテノン神殿

寄ったときも高い梯子がかけて工事中であった。

ガイドさんいわく。

『この国のこの工事は永遠に終わりませんよ。

毎年の国家予算に少額のみが組み込まれているんです』

なるほどね、日本人には理解できない高邁なギリシャ哲学が存在するので。