過日の読売の編集手帳から。
吉野弘さんに『眼・空・恋』と題する詩がある。
涙が止まらない。
以下引用もあり・・・です。
私は断言する
見るに値するものがあったから
眼があったのだと。
値するものとは、たとえば美しい空であり
恋人だという。
いまひとつ私は断言する。
美しいものは眼の愛に射られて
より美しくなっていくのだと。
まなざしの愛で射抜いてみたいほど
美しい何かに出会えただろうか・・・と。
東京都大田区の新井あやとちゃんの(3)の
ことに触れている。
「にらんだ」と、ただそれけの理由で、同居している
母親の交際相手から凄まじい暴行を受けて死んだ。
短い人生の最後に目はどんな風景をみたのだろう。
「飛び降りて死んでしまえ」と
連れ出されたベランダか。
床に突き立てられた包丁か。
体ごと投げつけられたガラスケースか。
繰り返し顔を打つ男の手か。
脳天や肩に降ってくる格闘ワザか。
これを虐待死とは呼ばせない。
虐殺である。と
記者は最後に結んである。
編集手帳記事が重く心に残り
特に最近の虐待の凄まじさには言葉がない。
ここまで日本の荒廃は進んだのか・・・。
幼くして命を奪われて逝った子どもたちの
冥福を祈る。