美ヶ原(うつくしがはら)温泉へ

 

このところ、温泉づいている。

先週末、横浜へ行ったついでに草津や箱根に足を伸ばし

たっぷり硫黄の匂いと新緑を味わってきたところである。

今度は1週間も経ずに信州は美ヶ原への1泊であり

その方面へは10数年ぶりとなる。

嬉しい限りだ。

 

 

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近くのショッピングセンターのテナント事業として

毎年ディナーショーや一泊旅行などを企画する

「ガラポン」に知人が当たり、誘いを受けたわたしは

もちろん二つ返事でOKした。

 

なにしろ、こちらのテナントの事業は昨今の不況にも

関わらず贅沢で素敵な催しが多いので有名なのだ。

人気のガラポンに、誰もが当たりたいと願う。

そんな人気の旅だから断るなどしない。

何があってもこちらの日程を調整して「行く!」というものである。

 

つい最近の催しでは「神野美香」の歌謡ショーやフランス料理を

食べながら本格的なシャンソンを聴くというのもあり、こちらも

甘えて参加させてもらっている。

まったく持つべきは、クジ運のいい友である。

 

おまけに近隣のお客様対象だから旅行会社のツアーと違い

集合時間が歩いて数分のショッピングセンターの駐車場というのがいい。

往路バスで、なんと楽ちんなことか。

久しぶりにタダで豪勢な旅行を存分に愉しんで来た♪

 

近畿道、第2京阪、京慈バイパス、名神、中央道を経て一路

目的地までひたすら走る。

車窓からは緑の山々が延々と連なる。

 

昼食は、恵那峡という山のなかのホテルで摂ったのだが

昼餉に関わらず豪勢なこと。

夜のディナー分ぐらいありそうである。

 

 

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昼間からビールやソフトドリンクもたっぷり用意されている。

このところ酒類から遠ざかっているわたしも、珍しく飲んだ。

眠たくなれば寝たらいいのだし・・気楽な旅だ。

 

昼食を終えると菅の台から地元の路線バスに乗り換え

駒ヶ根ロープウエイまで走る。

30分ほどの路線バスでのドライブはクネクネとした急な

坂道を上がり両脇からは木々がはみ出しそうに覆い

窓を開け放つと冷たい風とともに緑の匂いがムンムンだ。

 

しらび平らから、千畳敷まで上がると一気に初冬のような気温である。

駒ケ岳は標高2600mというだけあり下界とは10度以上も違うといい

冷蔵庫にすっぽり入ったような感じである。

 

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千畳敷カールを散策したあと、帰りの路線バスに乗り込み、

1日目の最終目的地「美ガ原温泉」へと行く。

 

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個人の旅ではめったに泊ることなどできない巨大な温泉旅館である。

部屋は4人割になっていて、同室の方とはすぐに親しくなり

よもやま話しが始まる。

このあたりが人なつっこい主婦感覚か。

 

ワイワイおしゃべりしながら、長い、長い迷路のような廊下を渡り

待望の温泉へはいる。

ああ~なんてしあわせ・・・。

ひと風呂浴びると、ふだんより少しドレスアップして宴会場へ。

 

クジに当たって招待されたお客さんは総勢100名ほど。

全体を見回すとオバサマが多く、圧巻である。

宝石やさんの顧客が一番多く当たったのか・・・???

大きな声では言えないが指にも首にも大きな宝石をぶら下げている。

大丈夫かなぁ、こんな処でそんな大層なモノを身につけて・・・

他人事ながら心配する・・・

 

仲居さんたちは汗だくになり給仕をしている。

大人数の料理を一度に出すのだから大変だ。

思った通り地元の食材を使った立派な懐石料理のコースである。

器も料理も贅を尽くした感がある。

写真を撮るのが下手なわたしは、それをうまく伝えることができない。

もどかしい。

 

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 むらさき芋のプリン・・・これはおいしかった。

 

お品書きを見ると、食前酒を入れて13品あった。

しかし悲しいことに、あまりに凝った料理のためか

飛びつくほど美味い!と言えるのは少ない(スミマセヌ)

珍しい、イワナの塩焼きが一番おいしいと感じるわたしは

超、庶民的か・・・?

おいしさから言えば昼間の膳のほうに軍パイをあげるかなぁ。

 

余興で和太鼓や三味線などを観覧しながらたっぷりお酒を飲むと

ふだん飲みなれていないせいで、一気に眠気が襲う。

宴会のお開きが待ち遠しい。

 

宴会が終わり、部屋で伸びていると2次会のカラオケが

用意してあるということでお呼びがかかる・・・

眠たいけれど、久しぶりのことだし、行ってみた。

薄暗い小さなラウンジのような個室にはさきほどの宴会に

呼ばれた地元のコンパニオン数人がお伴している。

きれいどころである。

 

楚々とした白いスーツに身を包んだ若いコンパニオンに

殿方は赤いほっぺで、目じりを下げている・・・

 

「歌え、歌え」の合唱をものともせず、聞き役に徹する。

最近カラオケとも縁がないし、小心者のわたしは、

よほどのことがない限り、そんな気持ちになれない。

昔はイケイケだったのになぁ・・・。

 

ようやく終わると温泉に入り就寝。

目を閉じても昼間の興奮さめやらずで寝付きのいいわたしも一向に眠れない。

皆さん同じようなのか、あっちへゴロン、こっちへペタンと

手足を伸ばしている。

朝起きぬけに、また温泉に浸かる、ああ極楽!

そして、聞いてはいたけれど朝のバイキングも立派!

昨夜の胃もたれが心配なのと、昼餉がまたいい!と訊いていたので

味噌汁や焼き魚などの和食を少しだけいただく。

その変りデザートはスイカなどをたっぷり。

 

 

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2日目は楽しみにしていた美ヶ原美術館霧ヶ峰などを散策。

美術館は火星などのテーマを扱っており関心のあるひとには

たまらない魅力だろうが、こちらは、そうでもない・・・

さっさと出てレストランでアイスクリームをほおばる。

 

日中の霧ヶ峰は、空気がひんやりしていたがけっこう暑い。

手も首もこんがり、焼けた感がある。

 

最後の観光を終えると「信州野沢菜センター」なる処で

野沢菜などのおみやげを買い、一路帰宅である。

帰りの高速では事故があり予定より1時間ほど遅れたが

無事、怪我も病人もなく帰還した。

旅をセッティングしてくださったテナント事業の

皆さま、ありがとうございます。

 そして誘ってくださったN先生(デザイナー歴50年です)

ありがとう。

 

宿泊も食事も観光も、満点の旅だった。

しかし何より嬉しかったのは、誘ってくれた方と

道中、たっぷり話ができたことである。

 

この数年のあいだ、わたしは人との接触を制限しており

こんなにゆっくり彼女と相対するのは久しぶりなのである。

わたしより一回りも年長の知人には姉妹のようにいつも

優しく見守っていただき、感謝している。

 

お陰で、日ごろの錘のようなものを吐きだすことができた。

もっとも最近は気ままな一人暮らしだから錘もないのだが・・・

 

緑がいっぱいの山、山、山、・・を愛で

からだ中が新鮮な空気に満たされた。

ありがとう。