切実な願望

 

 

先月、10年来の知人にある旅行で会ったことを記した。

そのときに言われた言葉が耳に残る。

ひっかかっているのだ。

「瘠せたねぇ・・」である。

「どこぞ悪いのか」とも言われる。

 

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「瘠せたねぇ」は、「やつれたねぇ」の同義語とも感じていて

何となくいい気持ちはしない。

確かに頬のあたりの肉が落ち、長く会っていないひとには

げっそり感があるのだろう。

年齢的なこともあるだろうし、引力とも無縁ではないと

思うのだが・・・?

 

体重は知人たちと仕事上のつきあいがあった10年前とは

さほど変わっていない。

変わってもせいぜい2、3キロ減ぐらいか。

 

世のダイエット願望の方が体重を気にして体重計と

にらめっこしているのと同じく、わたしも日々の数字を

確認しては一喜一憂する。

少し食欲が落ちると、体重が減ってはしないかと気を揉むのである。

 

体重が減るのを気にするなど、痩身願望のひとには

イヤミに聞こえるかもしれないが、世の中痩せたいひとと

同じように、太りたい願望の者もいるのだ。

切実だ。

 

別にからだは、どこも悪くはない。

在職時は、会社の健康診断で「肝機能の低下がみられる」とか

「胃カメラの必要がある」などで、ひっかかったこともあり

嫌いな胃カメラも2年ごとに飲んだ経験がある。

 

退職してからのち、すっかりそれらの兆候はなくなり

検査項目の数値はほとんど問題が、ない。

ただ、視力の低下と聴力は若干気になる。

目は、ぱそこんの使い過ぎかもしれない。

 

そんなわけで、内臓になんら心配ごとも抱えていないのに

見た目が瘠せて来ている。

筋力や骨量が減ってきていることも否めない。

若いころから運動らしきことをしていないわたしに

筋肉の「貯筋」は、ないに等しい。

 

どうしたらふっくら体型になるだろうか。

一計を講じることにした。

もっと「間食」を増やすことだ。

 

40代のころ、いまの体重より10キロ多い時期があった。

さすがに背中に肉がつき、階段の上り降りがきつい。

二重あごに危機を感じ、そのとき初めて「太らないこと」を

意識し、以来なるべく「間食」をしないように努めてきた。

 

その生活習慣はすっかり根付き、3度の食事はしっかり摂るが

よほどのことがない限り、午後9時以降の飲食も控えてきた。

果物ぐらいは摂るが、お饅頭やケーキが目の前にあっても

そう欲しくはないのである。

「また歯磨きをしなくてはならない」

面倒くさがりの面もある。

 

そんなことから特に夜の間食を控えてきたが

それらを意識してこれから摂るようにしたらどうだろう。

少しは体重も増え、顔もふっくらしてくるだろうか。

せめて3、4キロは欲しい。

 

秋の夜長・・他愛のないことを考えつつ

真剣に「太りたい」願望を募らせているわたしである。

なんぞ他に妙案はないものだろうか。