久しぶりに友が訪ねて来てくれた。
夕餉をじっくり、酒を酌み交わしながら・・・と言いたいが
最近、飲めなくなっている。
あまり欲しくないのだ。
それでも頂き物の赤ワインと、スコッチウイスキーで喉を潤した。
肴は、新鮮なタイを一尾求めた。
でも、もう自分でバラすことは、しない。
タイはうろこが散って、あとの処理が大変だ。
店でお造りにしてもらい、背骨や頭などのアラも、いただいて帰った。
タイの荒煮ときんぴらごぼう、そして最終はおすましだ。
残ったお造りは、きゅうりや青紫蘇などの野菜を包み
手巻き寿司に食べると、いくらでも入り、おいしかった。
しかし・・・
今回の荒炊きを含め、きんぴらも、以前ほどおいしくないと微妙に感じた。
何が違うのか・・・
醤油である。
この数年、煮ものには「甘むらさき」という刺身醤油を使っていて
ちょっと贅沢だけれど、大家族ではないので奮発している^^
近畿で市販されていないように思うからネットで取り寄せている。
九州の有名ではない小さな会社が作っていて
実家の姉に教えてもらって以来、ずっと使っている。
防腐剤などがはいっていないせいか昔ながらの素朴な匂いがする。
普通の濃い口、薄口も、同じ銘柄を使っており、まとめて発注し
娘宅や、近隣に住む姉のところとで分けている。
その醤油が、いまどれも切れている。
早く注文しようと思いながら不精をしていた。
仕方がないので、○協で注文した「特選丸大豆濃い口」を使い
いつものように黒糖も使い、料理したが、ちょっと違う。
口に合わないのだ。
特別に舌が肥えているわけではないのだが、長年慣れ親しんだ
味は容易に変えられない。
照りや、深みや、まろやかさが感じられない。
特に荒煮は、コクが感じられないと、おいしくない。
そんなわけで、せっかくの煮物などは、いまいちだったけれど
友との語らいが十分、気持ちとお腹を満たし、極上の晩餐に思えた。
食するということは、食べ物自体の妙味もあるが
誰と食べるか・・・
ということも大きな要素になる。
ありがとう、友よ。
ヘタな料理につきあっていただいて。