読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「英国王のスピーチ」The King's Speech

2010年イギリス映画
イギリス王ジョージ6世(ヨーク公アルバート王子)の史実を基にしている。
アカデミー賞作品賞を含め12部門ノミネート、英国アカデミー賞では
作品賞を含む7冠を獲得した作品だそうである。


先日、観てきた。
久しぶりに心に迫る映画だった。
音楽もいい、もう一度観たいと思うほどである。

ご存知、現在のエリザベス女王2世の父、ジョージ6世が
言語聴覚士,ライオネルの助けを得ながら、吃音を克服していく物語であり
エリザベス妃が生きているあいだは、上映しないとのことで封印されていた。


幼いころから、ずっと吃音(きつおん)に
悩んできたジョージ6世(コリン・ファース)。
そのため内気な性格だったが、厳格な
英国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)はそれを受け入れず
さまざまな式典でスピーチを命じる。
ジョージの妻エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)は、
スピーチ矯正の専門家ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)の
もとへ夫を連れていく。


物語は、雨の降る暗い街中をお忍びで、妻エリザベスが言語聴覚士
元を訪れるところから始まる。


主人公のジョージ6世を演じるコリン・ファース
その妻エリザベスにヘレナ・ボナム=カーター
ジョージの吃音の治療にあたる言語聴覚士ライオネルにジェフリー・ラッシュ、
ジョージの父ジョージ5世にマイケル・ガンボン
ジョージの兄エドワード8世にガイ・ピアース、など、
名優が勢ぞろいしている。


特に言語聴覚士ライオネルに扮するジェフリー・ラッシュの
人間味あふれる表情がいい。
ずっとジョージ6世を見守り続け、苦手だった演説を見事に
こなせるように導くのだがふたりの関係性が、平民と王室を超えて熱い。
妻エリザベスの、夫ジョージ6世に対する理解や関心の度合いも深くて
夫婦の情愛を感じる。


治療者ライオネルが、今で言うカウンセリングの
ゲシュタルト療法」(筆者は推測する)に、似た手法で
ジョージ6世の吃音になった原因の、トラウマに触れている。


小さい時から父ジョージ5世に厳しく躾けられたため、吃音が出始めたこと、
兄エドワードにそれをバカにされることで余計症状がひどくなったこと
そんな生活を繰り返すうちに、内向的な性格になってしまったことなど
誰にも吐露できなかった胸の内をライオネルに(言語聴覚士)
明かすことでだんだん彼自身の人間性が開かれていき、
吃音が緩和されていく。


兄エドワード8世が退位し、王位を継承した弟ジョージ6世の戴冠式の日
娘のエリザベスやマーガレットがパパと呼んでいたのを
「陛下」と言いなおすところが重責を担うことに
なったジョージ6世の立場を現している。


ジョージの兄エドワード8世に扮するガイ・ピアース
堂々とした体躯と表情も見事で、王室の品格を醸してかっこいい。
インテリア、家具調度品などあの時代だからこそか
贅沢でひとつの芸術に触れているように感じ、圧巻である。


椿(女護ケ山)みょうがしま