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それでも恋するシニア


それでも恋するバルセロナ」という映画がかつて上映された。
スカーレット・ヨハンソン主演のラブストーリーだ。
バルセロナでひょんなことから出会った男女が傷つきながら
絆の深いカップルに成長していくさまが描かれ
見ている方もハラハラワクワクしながらのハッピーエンドに
満たされる思いがある。



男女の出会いが恋愛に発展し、その延線上に同棲があったり
結婚へと進む過程がある。
若くても老いてもそのプロセスは、お互いの人間的成長に
幅をもたらし、奥行きを感じさせる。


独りより二人がいい、ということか。


あるSNSで、わたしは「おしゃれさろん」というサークルを主宰していた。
女性が主の、親睦を深める会である。
メンバーは東京、大阪、神戸、千葉、茨城、広島と多彩で
年に2回、一泊の旅を企画した。


それぞれ仕事を持つ身もあり、日程が合わないこともあり
全員出席と言うわけにはいかなかったが、約3割の参加者はあった。
会った瞬間から同性でありながら「恋に落ちる」ほどの、
熱い思いを抱いてしまう不思議な世界である。
バーチャルがリアルになる瞬間のワクワク感ったら、ない。


ブログなどで相手の性格や生活を多少なりとも知り得ているせいか
すぐに打ち解け旧知の仲のように感じ、
寝食を共にするのだから大きな親近感が湧くのは道理である。



内面の吐露は、シニア世代であればひと晩でも語りつくせないほどの
ドラマをそれぞれが持っている。
じっくり相手の気持ちに耳を傾け、こころを受容する。
さながら「グループカウンセリング」のセッションの様相を
呈したことは毎回のことで、ますます相手との距離が
近くなるのを感じた。


こうした非日常のなかでの出会いや語らいは
本音で自らを吐き出すことで
心身の垢を取り除く効果が大である。
仕事、恋愛、家族など、またどう生き、どう死したいか。
話は尽きない。


そうしたなか、「おしゃれさろん」のメンバーのひとりが
SNS(シニア・ナビ)の男性メンバーと恋に落ちた。
二人は60代半ばと70代に突入したカップルである。
居住地も近いことから、週末婚のようにお互いの住居を訪れ
一緒にお酒や食事を、愉しむ。
結婚を意識しない、ほどほどの関係と言ったらいいのか。
とにかく今が楽しくて仕方ないらしく、時々彼らの
おのろけをスカイプで聴くはめになる。


そんなきっかけを作ったのがどうやら、さきほど紹介した
サークルらしいのだ。
二人に「おしゃれさろんには、感謝しているのよ〜」と言われる。
確かに言われてみれば直接、仲を取り持ったわけではないが
肩を押す役目をしたような気がする。


恋はどこに転がっているかわからない。
キャッチして自ら動くしかないのだ。
その行動があとの恋愛やつきあいに発展していく。


この世には男と女しかいない。
動物も対で安泰を得ている。


人が出会えば男と女に限らず様々な心模様が発生するのは必定。
関係を煩わしく感じたり、面倒と思うこともないわけではない。
そのことをどう捉え、向き合っていくかが人間としての
磨きをかけることになるのだろうか。


昨日、久しぶりにお会いしたさろんのメンバーにも、
新しい愛が芽生え目下進行中の人がいる。
詳細は伏せるが、もちろんわたしたち仲間は、拍手喝采!
もろ手を挙げて賛同し、強く背中を押したところである。


何にも怖がることはない。
たとえその恋愛が死ぬまで続くことはなくとも
ある時期、出会った二人が心身ともに満たされ
素敵な時間を共有できる、ということが何よりである。


恋せよ乙女、愛せよシニア!である。
もちろん独り身の男女に限る・・・。