映画「スポットライト」

 映画「スポットライト」を観た。

無垢な子どもが餌食に長年遭っていたのだ。

まさか、まさか・・・と思っていたローマ法王のスキャンダル。

静かに捜査は進められついに、暴かれた。

以下全文引用です。

カトリック教会が隠蔽し続けてきた性的虐待事件を白日に晒した新聞記者たちの戦いを描く『スポットライト 世紀のスクープ』のレビューです。傑作という表現を躊躇なく使える、文字通りの傑作。マーク・ラファロマイケル・キートンらの熱演にも注目。

2013年、ベネディクト16世の生前退位に伴い、カソリック教会の新教皇にアルゼンチン出身のベルグリオ枢機卿が選出されフランシスコを名乗ることになった時、マスコミからは驚きの声が上がったという。すでに高齢であることを理由に有力候補とはみなされていなかったのだ。一方で枢機卿らによる選挙では全体の3分の2を大きく上回る90票以上を獲得する圧倒的な信望を得ていた。アッシジのフランチェスコを彷彿とさせる清貧さを新教皇に求めた結果だった。

2002年に全米カソリックの拠点であるボストンの新聞社が報じた、神父による性的虐待事件とカソリック教会による長年の隠蔽問題は瞬く間に世界中に伝染し、世界的なスキャンダルへと発展していく。その最中の2005年にカソリック教会の新教皇に即位したベネディクト16世は、性的虐待問題に関して強い口調で厳正な処分を約束するも、一方で激しくなる教会批判を「くだらないゴシップ」などと呼び史上稀に見る不人気な教皇となった。そして2013年、ローマ教皇としては約600年ぶりという生前退位という形で教皇の座を譲ることとなった。同時期に報じられたバチカンによるマネーロンダリング疑惑も重なったものの、2010年にはニューヨークタイムズ教皇枢機卿時代に教区内で発生した性的虐待事件の処分を見送っていた疑惑が報じられるなど、神父による性的虐待とその隠蔽問題が異例の教皇交代劇の最も大きな要因となったことは間違いない。

そのきっかけを描いているのが本作『スポットライト 世紀のスクープ』だ。

ボストンで最大の発行部数を誇るボストン・グローブに新任した編集者が、3面記事で目にした神父による性的虐待の疑いについて、調査報道を手がける「スポットライト」担当班に追跡取材するようにもちかける。全米でもカソリック教徒の割合が多いボストンにあってグローブ紙の首脳陣は難色を示すも、「スポットライト」の5名の記者たちは取材を開始する。被害者らへの取材を通して徐々に疑いは事実である可能性が高まり、そして一人の神父が過去に複数の幼児虐待容疑で訴訟を起こされておきながら、教会は被害者に示談を持ちかけては、神父を処分することなく他の教区へと移動させ続けてきたことが明らかになる。しかしそれはまだ全体のほんの一部、ボストンでの疑いのほんの一部でしかなかった。強大な権力の妨害に遭遇しながらも、記者たちの真実を求める戦いがはじまる。

Spotlight

ボストンという都市の特異性は、マーティン・スコセッシ監督作『ディパーテッド』でもマフィアと警察という対立関係の中心にカソリック教会が隠されている形で描かれている。犯罪を犯そうが正義を貫こうが、その間には宗教が息づいているのがボストンなのだ。

必見の映画です。